高い熱が加わると、髪の表面にたくさんの穴ができる
ダイソン創業者でチーフエンジニアのジェームズ・ダイソン氏は熱が髪に与えるダメージについて次のように説明した。
「髪に高い熱が加わると、髪の表面にたくさんの穴ができてしまいます。濡れた髪には水がたくさん含まれていますが、高熱を与えると水滴が破裂して表面に穴が開いてしまう。そのため、どのように熱をコントロールするかが重要です」タンパク質の塊である卵の白身が一定の温度(約60℃以上)で白く固まるように、タンパク質が多く含まれている髪も「熱に弱い」と言われる。このため、高温のドライヤーは髪によくないと言われるのだが、今回のダイソンの説明では、「髪のタンパク質が熱で変性する」のが問題ではなく、水滴が破裂するのを防ぐのがポイントということだ。
ちなみに、ある家電メーカーの担当者に聞いたところ、「髪のタンパク質が変性するのは140℃前後で、毛髪のダメージ(タンパク質変性)はドライヤー程度では生じません。ただし、ヘアアイロンは危険です。特にストレートアイロンの場合は200℃や180℃など高い温度のモデルが非常に出回っています。これらを毎日使うとかなり傷んでしまいます」という。
筆者もDyson Supersonicを使ってみて、「手に当ててもそれほど熱く感じない」ことは魅力だと感じた。実際、通常のドライヤーの場合、風温が高いので頭皮もかなり熱くなってしまう。頭皮への熱ダメージを与えたくない、なるべく刺激を与えたくないという人には、低温で乾燥できる方がうれしい。
明日公開する後編では、Dyson Supersonicの内部を詳しく見ていこう。
