スマホと連携するモデルなどにも期待
筆者も実際に体験してみたが、使い方がとてもシンプルで分かりやすく、迷わず使えると感じた。ただし一度モードを選んでスタートすると、一時停止しない限り強さを変えられないことに不満を感じた。誤操作しなくて済むというのは魅力かもしれないし、一度慣れれば問題はないのだが、自分に合った強さを試行錯誤する中では少し面倒に思えた。
もう1つ、ランニングとウォーキング、ツイストと3つのモードを選ぶのではなく、自動モードもあってもいいのではないかと感じた。自分がランニングをするのかウォーキングをするのか、動かずにツイスト運動をするのかはユーザーにとっては明確なので特に問題はないが、自動的に動きをセンシングして的確に電気を流してくれれば、もっと簡単に使えるように思えた。
3つめの要望としては、やはり「スマホ連動」みたいな機能が欲しいように思える。筆者はブレスレット型の活動量計を24時間365日装着しており、1日にどのくらい動いたのか歩いたのか、何時頃から何時頃まで寝たのかがスマホで把握できるようになっている。それ以外の運動はあまりしていないので「達成感」というよりも単なる「見える化」にとどまっている。しかしビューティトレーニングのように積極的に運動しようとなると、「今日はどのくらい運動した」という達成感が次のモチベーションにもつながるのではないだろうか。
ターゲットは女性だったが、実際には男性も多い
しかし、元々ビューティトレーニングが運動習慣のある女性をターゲットに開発されたこともあり、割とシンプルなコンセプトにしたのだと筏井氏は語る。
「女性の特性なのかもしれませんが、機能がたくさんあるよりも、目的に合わせてできるだけシンプルで分かりやすいものが求められる傾向があります。今までの生活に何か一つ面倒なことを加えなければならないので、わざわざ買って使い続けられるかどうかというのが購入時の心理として働くのです。できるだけシンプルで、使い続けられるねと理解してもらうことが重要なのです」
同じ部門で開発している美顔器なども、あれもこれもと多くの機能を盛り込むというより、目的別にシンプルなモデルをいくつもラインアップしているという。男性は欲張りで“全部入りモデル”を求めがちだが、女性はもっとシンプルなものを求めているということのようだ。
「スマホで分析して見える化するといったものもアイデアとしてはありましたが、逆に難しすぎて使えないと思われたら困るため搭載しませんでした。しかし最初はシンプルなのがいいのですが、こんなことしたい、あんなことしたい、自分自身を管理してほしいという欲求は出てくると思いますので、個人対応などといったように進化する必要もあるかと思います」
最初のターゲットは運動習慣のある女性だったが、実際には男性も多く、日常生活の中で取り組んでいる人も多いことが分かった。逆に言うと製品コンセプトを広げることで、まだまだリーチしていないユーザー層にも広げられる可能性があるということだ。
幅広いユーザーをターゲットにした製品ではないが、売れ行きは当初の予想を上回っているとのこと。今後の“進化”にも期待したい。