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革新的「健康家電」ウォッチ

カンタン・効率的におなかを引き締め! ターゲットは女性だったが実は男性も多かった

第4回 パナソニック 「ビューティトレーニング」(後編)

 安蔵 靖志=家電ジャーナリスト

 今、“健康家電”が盛り上がりを見せている。日本の人口の高齢化は待ったなしで進んでおり、ミドル以上の健康志向もこれまでになく高まっている。そんな“健康意識層”に向けて、各社が競うように新製品を投入している。本連載では、「健康」をテーマに最新の家電製品の魅力を紹介していく。
 今回は、前回に引き続きパナソニックの「ビューティトレーニング」を紹介する。“ランニング・ジョギング時に効果的に筋力トレができるというこの製品の秘密に迫る。

 前編では、「ビューティトレーニング」のコンセプトや仕組みについて紹介した。筋肉にパルス(電気信号)を送って収縮させることで筋力強化を図る「EMS(Electrical Muscle Stimulation)」と運動を組み合わせた「ハイブリッドトレーニング」を実現しているのがポイントだ。今回はビューティトレーニングの詳しい開発経緯や技術的に工夫したポイントについて紹介していきたい。

「おなか周りを引き締めたい」という女性の約4割に運動習慣

 今回はビューティトレーニングの技術開発に携わったパナソニック アプライアンス社 ビューティ・リビング事業部 ビューティ・アイロン商品部 エステ・レディ技術開発課の筏井和康氏に話を聞いた。

パナソニック アプライアンス社 ビューティ・リビング事業部 ビューティ・アイロン商品部 エステ・レディ技術開発課の筏井和康氏

 ビューティトレーニングを開発した狙いについて、筏井氏は次のように語る。

 「我々は『Panasonic Beauty(パナソニック・ビューティー)』というブランドの下、忙しいけれども美しくありたいという女性の方々をターゲットにしたさまざまな美容器具の技術開発に取り組んでいます。その一つとして近年、体の悩みを解決したい……特におなか周りを引き締めたいという女性が多くなっていることに着目しました。そのうちの約4割の方に運動習慣があるというデータを基に、効率的におなか周りを引き締めるための技術開発を進めました」

 ビューティトレーニングは、久留米大学医学部の志波直人主任教授を中心とした研究グループが研究を進めてきた「人間の動作」と「電気刺激による筋肉の収縮」を同時に行う「ハイブリッドトレーニング」を実現する機器だ。この製品の開発に当たって、久留米大学の研究チームと共同開発を進めたという。

パナソニックが2015年8月に発売した「ひざトレーナー」(希望小売価格14万8000円・税抜き)

 技術開発を進める際には、会社内だけでなく大学機関などの外部機関とコンタクトを取りながら開発することも多くあると話す筏井氏。元々ビューティトレーニングの開発からスタートしたのではなく、実はひざ周りの筋肉を鍛えることで高齢者の「健康寿命」を延ばすことを目的とした「ひざトレーナー」(2015年8月発売、希望小売価格14万8000円・税抜き)の開発に端を発しているという。

 「高齢者の方にはひざを患っている方が多く、その悩みを解決するために当社の健康機器部門が開発を進めていました。一方、久留米大学でも同じような目的で新しい運動理論の開発に取り組まれており、運動理論を具現化して検証するための装置を作ってほしいという依頼が来ました。そこで装置をパナソニックが開発しながら、運動理論の開発を久留米大学が推進する形で産学連携による開発が2000年ごろにスタートしたのです」(筏井氏)

「ひざトレーナー」から15年がかり

ひざトレーナーの装着イメージ

 一方、ビューティトレーニングを開発する美容部門では、2012年ごろに「おなかを引き締めたい」という悩みを解決する技術を模索していた。

 「健康部門と相談したところ、こういったいいギプスがあるという話をもらいました。目的は違いますが、アプローチは非常に似通っています。そこで久留米大学に相談し、一緒に開発することになったのです。健康部門は2000年から15年までかけて『ひざトレーナー』を、我々は12年から15年までにかけて『ビューティトレーニング』を開発しました。ほぼ同じタイミングで、目的は違いますが同じような技術を用いた2つの製品を出すことになりました」(筏井氏)

 自力運動だけでなく、鍛えたい筋肉に電気振動を与えて負荷を高めることで、より効率的な運動ができるというハイブリッドトレーニング理論の実証に向けて共同開発がスタートした。

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