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革新的「健康家電」ウォッチ

ボタンを押したら“放っておける”革新的な鍋の秘密

第2回 シャープ 「ヘルシオ ホットクック」(後編)

 安蔵 靖志=家電ジャーナリスト

じっくり火を通す「非圧力」を採用

 いわゆる「電気鍋」というと、どちらかというと「知る人ぞ知る」という感じではあるが、「電気圧力鍋」はかなり昔からある。電気圧力鍋は、鍋内の圧力を上げて短時間で調理できるようにしたもの。パナソニックはナショナル時代の1977年に第1号機を発売したというのだから、ほぼ40年もの歴史を持つ。ここ数年でも各メーカーから発売されており、注目度が上がってきている。しかし、ヘルシオホットクックは「非圧力」の電子鍋だ。なぜ電気圧力鍋にしなかったのだろうか。

「ヘルシオ ホットクック」の商品企画を担当したシャープ スモールアプライアンス事業部 チームリーダーの中島優子氏

 「電気鍋といえば圧力鍋だろうということで、検討はしました。しかし圧力鍋は『怖い』というネガティブな見方もあるため、いろいろな方法を考えました」(中島氏)

 圧力鍋は1.2気圧とか1.3気圧とか、場合によってはそれ以上の圧力をかけるため、構造などに欠陥があると事故につながりかねない。とはいえ、100℃を超える温度で調理することや、味がしみこみやすいことなどから「時短調理」にはもってこいだ。

 「煮物で大事なのが『とろ火』です。とろ火でコトコト炊くとおいしい煮物ができます。圧力鍋は短時間で柔らかくできるというのが魅力ですが、我々が実現しようとしていた『無水調理』には向いていないのではないか。圧力をかけるより、コトコトと炊く方法を組み合わせた方が、いろいろな食材に応じた加熱ができるので、こちらの方がいいのではないかと考えました。圧力調理には圧力調理の良さがありますが、我々はあえて食材が持つ水分だけで調理する方法を選びました」(中島氏)

なぜ「IH方式」ではないのか?

 もう一つ気になったのが、なぜ「IH方式」ではないのかということだ。IHとは「Induction Heating(誘導加熱)」の略で、電磁力を用いて鍋や釜全体を発熱させる方式のことを指す。

 炊飯器の場合、最も安いタイプが「マイコン炊飯器」で、次がより効率的に内釜を加熱する「IH炊飯器」、さらに高級なものとして、圧力をかけてふっくらと炊きあげる「圧力IH炊飯器」となっている。

底面にヒーターを搭載している

 ヘルシオ ホットクックの発売時の実勢価格は6万円以上で、半年以上たった現在も5万円弱と決して安くはない。つまり、高級調理家電という位置付けだ。マイコン方式というと加熱方式としては一段下という印象を受けるかもしれない。

 「IH方式は効率もいいし火力も上げられますが、内釜自体が発熱するため勢いがよすぎるのです。電気を加えると一気に発熱するのですが、止めるとすぐに収まるため、加熱の山が急激になりやすいのです。それに比べると、内釜の下に接して熱する熱板ヒーターの方がコトコトのとろ火を実現するためには適していると判断しました」(中島氏)

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