感動の「さんまの骨まで柔らか煮」
筆者が最も感動したのは、「さんまの骨まで柔らか煮」だった。こちらもかれいの煮付けと同様にまぜ技ユニットは使用しない。さんま4尾(約600g)に対して調味液の水分はお酒100ml、みりん 大さじ3、お酢 大さじ2、しょう油大さじ1程度。実際にさんまを並べてみると、ひたひたとまではいかないものの、さんまの半分くらいは調味液に浸かるような感じになる。まぜ技ユニットを使わないので、このくらいは必要なのだろう。
このメニューはセットして約2時間半待つ必要があるが、こちらも他のメニューと同様、とても優しい味に仕上がっていた。「骨まで柔らか煮」というだけあって、骨までしっかりとホロホロに仕上がりつつ、ほとんど煮崩れしていない。ビールのつまみにはほんのちょっとだけ味が薄いかなと思ったが、ご飯のおかずとしては最高だった。カルシウムをしっかり取りたい人にはベストなメニューの一つではないかと感じた。
予約調理で、「放っておく調理」ができる
ヘルシオ ホットクックの魅力は、予約調理ができる点にもある。
炊飯器などでは「予約炊飯」は当たり前だが、炊飯器でも「炊き込みご飯」は予約炊飯できない。それは食材が腐ってしまう可能性があるためだ。ホットクックは生肉や生野菜、調味液などをセットするだけなのに、なぜ予約調理ができるのか。
「最初に熱を通して食材が傷まないようにしながら、食材が腐りやすい40℃近くの温度帯にならないようにじんわり加熱をします。そのため、おでんなどは味がよくしみますし、カレーも前の日に作ったカレーみたいな仕上がりになります」(中島氏)
40℃前後の温度帯は食品が腐りやすいため、予約スタート後すぐに食材全体に火を通してしまう。しかしその温度をキープすると火が通り過ぎてしまうため、40℃前後にまで下がらないように温度をキープしつつ、予約時刻に仕上がるように調節するというわけだ。
先ほど紹介した「さんまの骨まで柔らか煮」などは調理に2時間半ほどかかるため、夜寝る前にセットしておけば、朝イチでアツアツに仕上がる。出かける前にセットしておけば、味がしっかりとなじんだカレーを帰宅後すぐに味わえる。「栄養素を損なわない」という無水調理ができるだけでなく、まさに「放っておく調理」ができるというのは大きな魅力だろう。
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- 調理後は、鍋ごと冷蔵庫で保存OK