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「いきなり運動」が引き起こすトラブルを回避せよ!

運動不足の人は「転倒」と「遅れてくる筋肉痛」に注意!

第2回 いきなり体を動かしたときに起こりがちなトラブルとは

 塚越小枝子=フリーライター

遅れて出てくる、なかなか治らない筋肉痛に要注意

久しぶりの運動の後は、体のあちこちが痛い…。(©Maxim Ibragimov-123rf)

 次に、「筋肉痛」について聞いてみた。筋肉痛は、確かにつらい症状だが、ケガではなく、自然に回復するものなので、それほど深刻に考えなくてもよいだろうか?

 「筋肉痛自体は、大きなトラブルとは言えませんが、中でも問題視するとするならば、遅発性筋痛症です。これは、筋肉をある程度使った翌日から翌々日に生じる痛みで、この痛みが長引くと、神経-筋反応が遅くなったりして、転倒しやすくなります」(櫻庭さん)

 実は、筋肉痛のメカニズムはまだ解明されていないのだという。筋肉を激しく動かした後は、何らかの代謝産物が筋肉に溜まって筋肉痛が起こることは分かっているが、この物質が何かは特定されていない。「よく、『疲労物質=乳酸が溜まる』という言い方がされますが、これは科学的に証明されたものではありません」(櫻庭さん)。

 ただ、年齢を重ねるほど遅発性筋痛症が出やすいということは経験的に知られているほか、急に激しい運動をするよりも持続的な運動をした方が、筋肉の負担は少なく、筋肉痛も軽く済む場合が多いという。

マッサージは筋肉痛の解消に役立つ?

 つらい筋肉痛は少しでも早く解消したいもの。マッサージでほぐすと、多少はよくなるのだろうか。

 手や指を使った刺激によって筋肉をもみほぐすマッサージは、筋肉の血流を改善するともいわれ、筋肉を動かすという意味では循環促進にもなり、筋肉痛対策にもなると言われている。

 近年、注目されているのが「筋膜リリース」といって、硬くなったりねじれたりした筋膜(筋線維を覆う薄い膜)をほぐして、体の器官を正しい位置に戻したり、可動域制限を取り除くことで痛みを解消する手法。整体やマッサージにも筋膜リリースの観点を取り入れたものが多い。

 ただし、「強くもみすぎると筋肉にわずかな損傷が起こるので、痛みを感じるような負荷の強いマッサージはあまりすすめられません。専門的な技術をもった施術者にやってもらった方がいいでしょう」と櫻庭さん。セルフマッサージをする場合は自分が思うより軽めに行うほうがよいそうだ。

 次回(第3回「『いきなり運動』でケガを防ぐための5つのルール」)は、転倒と筋肉痛などのトラブルを予防するために、どんなことに気を付ければよいかを解説する。

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櫻庭 景植(さくらば けいしょく)さん
順天堂大学大学院スポーツ医学教授
櫻庭 景植(さくらば けいしょく)さん 1978年順天堂大学医学部卒。同大医学部整形外科講師、同大スポーツ健康科学部スポーツ医学助教授などを経て2002年より現職。日本オリンピック委員会強化スタッフ(スポ―ツドクター)。2007年、2009、2011年世界陸上チームドクターや2012年ロンドンオリンピックチームドクターなどを歴任。専門はスポーツ医学。

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