男のシミの2大要因「ゴシゴシ洗顔」「紫外線」に注意せよ
紫外線の増える5月以降、簡単にできる「3つの対策」とは?
伊藤和弘=フリーライター
最近は“肌”を気にする男性が増えている。前回お伝えした通り、日経Gooday調査によると、30歳以上の男性の肌の悩みNo.1は「シミ」。2人に1人がシミを気にしていることが分かった。放置すると年々濃くなったり、厚みを増したりすることもあり、そうなるとますます気になるシミ。いったい、なぜシミはできるのか? どうすれば予防できるのだろう? 東京高輪病院形成外科の久野慎一郎さんにシミができる原因と予防策について聞いた。
顔のゴシゴシ洗いもシミの原因に

「シミはメラニンの過剰な蓄積によってできます」と、東京高輪病院形成外科の久野慎一郎さんは話し始めた。
「男性は化粧の習慣がないのでスキンケアに無頓着な人が多い。顔をゴシゴシこすって洗った後、タオルでゴシゴシ拭く。そのうえ保湿などのフォローもしないので、頬骨の出っ張った部分などにシミができる人も多いんです」
うん、分かる分かる。顔をゴシゴシ洗うと気持ちいいんだよね。
「強くこすることで肌に炎症が起きると、その刺激でメラニンが作られることがあります。その後、ケアもせずに炎症が長く続くと色素沈着し、シミになってしまう」と久野さん。顔を洗うときはふわふわに泡立てた石鹸の泡を顔に押し当てるようにするなど、なるべく肌に刺激を与えないよう「優しく洗う」。顔を拭くときはタオルを顔に押し当てるなどして「こすらずに拭く」。その後は、化粧水をつけてきちんと「保湿する」ことを心がけてほしい。
そのように物理的な摩擦でできることもあるが、やはり「シミができるいちばんの原因は紫外線です」と久野さんは続ける。
紫外線によってメラニンが作られる
昭和の時代には「日焼けしているほうが健康的」と言われたものだが、それは単なるイメージに過ぎない。今では多くの研究により、紫外線を浴びすぎると、シミ、シワはもちろん、皮膚がん、白内障など、健康に様々な影響があることがわかってきた。
紫外線には波長320~400 nmのUVA(紫外線A波)と、波長290~320 nmのUVB(紫外線B波)がある
UVAは皮膚の深層に働きかけ、肌の弾力の減少など、皮膚の老化現象を進める。メラニン色素の産生も促し、シミの原因にもなる。UVBもやはりメラニン産生を促し、日焼けやシミの原因になる。UVBはUVAより波長が短く、皮膚の深いところには届かないが、皮膚表面でのメラニン色素の産生促進作用は強いといわれている。
紫外線が皮膚に当たると活性酸素ができて、細胞の遺伝子に傷がつく。すると表皮の角化細胞は色素細胞にメラニンを作らせる。大切な遺伝子を守るために、メラニンで紫外線をブロックするわけだ。
肌を守るため良かれと思って出てきたのに、シミの原因になって主人から憎まれてしまう。考えてみれば、メラニンも可哀想なヤツじゃないですか。
では、その可哀想なメラニンができないようにするにはどうすればいいのだろう。
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