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疲れのマネジメント術

あなたのその疲れも数値化できる!疲労の測定法はここまで進んだ

わかってきた、疲れたとき体の中で起きている変化

 塚越 小枝子=フリーライター

「だるい」「朝、起きられない」「休日にゴロゴロしても休んだ気がせず、疲れが残る」――気になる疲れの正体やその解消法を、疲労研究に25年以上携わる、関西福祉科学大学教授・倉恒弘彦さんに聞くシリーズ。第3回は、疲労の状態がどのくらいかを客観的に評価する方法について紹介する。疲れたとき体の中でどんなことが起こっているのかがわかるにつれ、疲れを測定する方法が進化してきた。誰にも理解してもらえないあなたのその疲れも数値化できるかもしれない。

感覚に頼らず、疲労を客観的に評価することが大切なワケ

誰にも理解してもらえない疲れが数値化できたら、どんなにいいことか…。(©imtmphoto 123-rf)

 「疲れた」という感覚(疲労感)は、私たちに休息をとらせるために大切なアラームだ(第1回「その疲れは「休め」のサイン!自分の疲労度をセルフチェック」参照)。しかし、これは時に大きな達成感などによって隠されてしまうこともある。そこで、最悪の場合、過労死に至るようなケースを防ぐためにも、疲労感などの感覚に頼らず、疲れを客観的に評価するためのバイオマーカー(生物学的指標)の開発に、近年、疲労研究の力が注がれてきた。

 また、抑うつなどの症状も、現状では疲労による抑うつ症状なのか、うつ病の人が疲労を訴えているのか、明確に区別できないという問題があり、その点からも疲労を客観的に判断する方法が求められている。

 「専門的に見れば、うつ病は朝に調子が悪く昼頃から回復してくる傾向があるのに対して、慢性的な疲労の場合、朝は少し動けるが昼頃から体調が悪化する傾向があるなど、いくつかの違いがあります。しかし、こうした傾向には個人差もあるため、両者を客観的に区別するバイオマーカーが必要とされています」(倉恒さん)

体内のどんな変化が疲労のバイオマーカーになる?

 私たち人間は疲れてくると、刺激に対する反応が鈍くなったり、思考力・集中力が低下したり、活動量が低下したりと、心身にさまざまな変化が起こる。バイオマーカーの開発とは、こうした心身の変化に着目して疲労を可視化しようという試みだ。現在、疲労の指標となるバイオマーカーには、「自律神経のバランス」「酸化ストレス」「NK(ナチュラルキラー)活性」「活動量」などがある。

疲れたときの体の変化(1)自律神経のバランスが崩れる

 ストレスがかかったとき、自律神経は、運動神経や感覚神経といったほかの神経系に比べ、ひずみを生じやすい。自律神経は、日中活動しているときや緊張状態で優位になる「交感神経」と、夜間リラックスしているときに優位になる「副交感神経」がバランスを保って働いているが、疲れるとこのバランスが崩れて、動悸、立ちくらみ、発汗異常といった症状が現れやすいのだ。

 倉恒さんは、疲労科学研究所、日立システムズと共同で指先から心拍・脈拍を計測してその変動を解析する機器「疲労・ストレス測定システム」を開発。これによって交感神経と副交感神経のバランスの比率や自律神経機能全体の働きを算出する検査を可能にした。

 この検査は一体どのようなものなのか。

 

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