夕方になると目がしょぼしょぼして見えにくくなる、パソコン画面の文字が読みづらい、眼が乾いた感じがする…。こんな症状が続いているなら、それはドライアイのせいかもしれない。特に長時間のパソコン作業が日常的になっているビジネスパーソンであれば、可能性は極めて高くなる。国内に2200万人を超える罹患者がいるともいわれるこの疾患について、武蔵野赤十字病院(東京都武蔵野市)眼科部長の中西基医師に解説してもらった。
まばたきを「10秒我慢」できなければドライアイの可能性大
ドライアイとは、眼球表面を覆う涙液が不足することで、様々な不具合が起きる疾患である。目がかすんだり、ゴロゴロする、というのが初期の自覚症状だ(表1)。「症状が軽いうちに対処すれば、見えにくい目を酷使して仕事をしなくても済みますし、治療に時間がかかることもありません」と、武蔵野赤十字病院(東京都武蔵野市)眼科部長でドライアイに詳しい中西基(もとい)医師は話す。
- ぼやけたり、かすんで見える。
- 目にゴロゴロと異物感がある。
- 目が乾いてしばしばする。
- 視力が低下した気がする。
- 充血する。
- 起きたとき目が開きにくい。
- 目がヒリヒリと痛い。
- 光がまぶしくて目を開けられない。
- まぶたを長く(10秒程度)開いていられない。
だが、眼科に来院する患者のほとんどは、「目を開けていられない」「充血がひどい」「目が痛む」など、症状が重くなってからの受診だという。眼科を受診すべきかを判断する方法としてお勧めなのが、「まばたき我慢テスト」。まばたきを10秒間我慢できないようなら、ドライアイである可能性が高いので、眼科で診察してもらう方がよいだろう。
涙液不足の原因は「分泌量の減少」と「蒸発量の増加」
ドライアイの初期症状として表れる「かすみ目」。視界がぼやけたり、かすんだりして、物が見えにくくなる症状だが、そもそもなぜ、涙液が不足すると見えにくくなるのだろうか?