ドライアイや疲れ目など目の不調を感じたとき、手軽にその場で使える目薬はビジネスパーソンの必携アイテムだろう。とはいえ、「誰もが正しい差し方をしているとは限らない」と指摘するのは、眼科専門医でみさき眼科クリニック院長の石岡みさき先生だ。診察中に患者から聞かれることも多いという、目薬の正しい差し方について石岡先生に詳しく話を聞いた。
まぶたの内側に薬液がたまり、成分が徐々に浸透する
目の疲れ、ピント調節、ドライアイなど、目の不調にダイレクトに作用する目薬。薬液の差し方そのものも、効果に影響を及ぼす。まず、目薬は目の中でどのように吸収されるのかを知っておこう。
「まぶたの下は結膜嚢(けつまくのう)という袋になっています(図1)。差した目薬は結膜嚢にたまって、成分が徐々に目の奥へと浸透していくのです」(石岡先生)。
目薬を差したらすぐに効果が現れることを期待しがちだが、薬液は少しずつ浸透するため、効果が現れるのに数時間かかることもあるという。「差した直後に、『効かないからもっと差す』といったようなことは避けて」と石岡先生は話す。
目薬を、「あまり手順を意識せず、テキトーに差している」ことはないだろうか。自己流のやり方が習慣になってしまい、誤った目薬の差し方をしていると、せっかくの効果が十分に得られなくなってしまう。