春が近づくにつれ、目のかゆみや充血といった、アレルギー症状に悩まされる人が増える。花粉やハウスダストなどが引き起こすものは「アレルギー性結膜炎」と呼ばれる。発症のメカニズムや治療法、セルフケアについて、眼科専門病院として135年の歴史を持つ井上眼科病院(東京都千代田区)院長の井上賢治医師に解説してもらった。
アレルギー性結膜炎はなぜ起こる?
「アレルギー性結膜炎」は、目の結膜に炎症が起きる疾患だ。結膜とは、まぶたの内側から白目にかけて袋状につながる薄い粘膜を指す(図1)。
アレルギー性結膜炎の主な症状は、「目のかゆみ」「充血」「涙目」。「目がゴロゴロする」といった異物感や「目やに」に悩まされる人も少なくない。
これらは、「アレルゲン」と総称される、体にとっての異物が原因で起こる。くしゃみや鼻水・鼻詰まり、目のかゆみなどといったアレルギー症状は、体内に侵入した異物を攻撃したり、体の外に追い出すための反応なのだ。
さらに詳しいメカニズムは次のようになる。