山田式断食メソッドを体験、1~2キロの減量と体の軽さを実感
発酵ドリンクでの断食に加え、食事も穀菜食に改善
大越裕=ライター
多くの著名人や一流アスリートを指導してきた杏林予防医学研究所(京都市)所長の山田豊文氏が考案した“山田式断食”(ミネラルファスティング)。摂取カロリーの低減によるダイエット効果のほか、肝臓や胃腸などの内臓を休息させることによる代謝や消化の機能改善(復調)、運動能力や筋力、集中力の改善など、様々な体質改善効果が期待できるという。今回は、その具体的なメソッドを紹介しよう。
断食というと、水もご飯も一切取らない、厳しい「苦行」のようなものをイメージする人も多いだろう。その点、山田式断食は、必要最小限のカロリー(糖)と有用なミネラル類、そして微生物によるさまざまな代謝産物を含んだ独自の発酵ドリンクと、たっぷりの水を取るのが特徴だ。また、断食の実施前には3~5日間の準備期間をとり、実施後の復食期間も3~5日設ける。断食の前後の期間も重視した健康プログラムなのだ。
準備期間 | 断食期間 | 復食期間 | |
日数 | 3~5日 | 週末断食の場合は1~2日間。理想は3~6日間 | 3~5日 |
食事 | ・高脂肪、高タンパクの食事を控える ・玄米と豆類、野菜を柱とした穀菜食を取る ・3日目は食事の量を減らし、夕食は20時までに終えておく ・良質の水を1日に2リットル飲む ・3日目以降は亜麻仁油を1日に大さじ1~2杯取る | ・1日目の朝は良質の水を200~400ミリリットル飲む ・発酵ドリンクを1日に4~5回飲む ・良質の水を1日に2リットル飲む | ・1日目の朝食はお粥のみ、2日目までお粥中心で、少しづつおかずを増やしていく ・3日目から通常の穀菜食に戻していく ・良質の水を1日に2リットル飲む ・3日目以降は亜麻仁油を1日に大さじ1~2杯取る |
以下の方は断食をしないようにしてください
・持病がある方(感染症の活動期、活動期の胃・十二指腸潰瘍、心筋梗塞、1型糖尿病、慢性腎不全、痛風、肝硬変、てんかん、ベーチェット病で眼の症状がある場合など)
・妊婦や授乳中の方
以下の方は主治医の指示を受けてください。または、全国の「杏林アカデミー認定医 」にご相談ください。
・15歳以下の子どもや65歳以上の方
・痩せ過ぎ(BMIが18.5未満の方)
・常用薬を服用中の方(血糖降下剤、降圧剤、副腎皮質ホルモン剤、精神安定剤など)
ステップ1 準備期間(3~5日)
断食に備えて「穀菜食」を心がけることで、体内の環境を整える期間。穀菜食とは、玄米と豆類、野菜を柱とした食事のことだ。「昔ながらの日本の食事をイメージすれば良いでしょう。植物由来の食品を主体とした食事は、総じて環境汚染の影響が少ないため、せっかくの断食前に新たな有害物質を取り込んでしまうリスクを最小限にできます。ミネラルバランスにも優れているほか、豊富な食物繊維を餌とする腸内細菌が酪酸などの有用物質に変えてくれるので、全身の健康に幅広く役立ちます」(山田氏)
1日目 | 2日目 | 3日目 | |
朝 | 十割そば 野菜あん 豆腐田楽 | 玄米ご飯の焼きおにぎり 焼きナスに胡麻ソース 根菜の味噌汁 | 玄米だし茶漬け きのこのお浸し |
昼 | 玄米わかめご飯 サバの梅煮 オクラ納豆 | 玄米のきんぴら混ぜご飯 サケの柚庵焼き 里芋の味噌煮 | なめこおろしそば 野菜のもみ漬け |
晩 | 玄米ご飯に胡麻塩 エビとじゃがいものお焼き きのこ汁 | 玄米ご飯 豆腐ステーキきのこあん そばサラダ | 玄米粥 サツマイモと大豆の胡麻がらめ |
こうした穀菜食を継続することに加えて、以下の点を実践しよう。
・内臓に負担のかかる肉や揚げ物など、高脂肪、高タンパクな食事をいつも以上に控える
・良質の水を1日に2リットル(コップ1杯程度を10回程度に分けてこまめに)飲む
「現代人は純粋な水を飲む機会が少ない一方で、お茶やジュース、アルコールなどを摂取する機会が多く、それらを「水分」であると認識しがちです。しかし実際には、カフェインやアルコールの利尿作用によって水分不足に陥りやすいうえに、それを自覚しにくいので意識して水分を取る必要があります」(山田氏)
・良質の亜麻仁油(無農薬、コールドプレス[低温圧搾]、化学溶剤不使用、遮光瓶入り)を加熱せず、1日に大さじ1~2杯分取る。ドレッシングにしたり、納豆に混ぜたりすると食べやすい
「断食は体内の“オイル交換”の機会でもあります。現代人は体内の必須脂肪酸(オメガ3とオメガ6)のバランスが、オメガ3過少‐オメガ6過多になっています。この状態を改善するには、断食によって余分なオメガ6を燃焼し(エネルギーに変え)、その上でオメガ3を取ることが望まれます。その摂取源として、良質な亜麻仁油が最適なのです」(山田氏)
・断食開始前日の夕食(玄米粥などを軽めに)は、午後8時までに終えておく