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男のストレス事情

「明確な答えを出さねば」というプレッシャーが息苦しさを生む

フリーライター 武田砂鉄さんに聞く「あえてクリアにしないという選択肢」【3】

 森脇早絵=フリーライター

今の世の中は、何を言っても何か言われる

立場を超えて発言するということは、とても大事なことだと思います。ただ、武田さんがメディアなどで、自分が当事者じゃないことについて発言すると、批判されることも多々あるんじゃないでしょうか。多くの人は、その批判が怖くて、意見を持っていても言えないのではないかと思います。

武田 今は、何を言っても何か言われます。何か言われるのが多いか少ないかということでしかありません。これを言えばその量が多くなるんじゃないかと思った時に、みんな発言するのを怖がりますけど、それを考えたら何も言えなくなりますよね。

 「これを言ったら批判が出ないだろう」ということばかり頭で考えていると、ごつごつした岩石が川の流れのなかで削られて丸い石になるようなもので、角の削れた、無難な考えや意見しか出てこなくなってしまうし、一般論や平均値を先読みする能力だけが高まってしまいます。

武田さんが批判を恐れずに発言されているのに、何か軸のようなものはあるんでしょうか?

「おかしい」と思うことに「おかしい」と言っているだけ。
[画像のクリックで拡大表示]

武田 そんなにたいそうなことをしていると思いませんが、何だか手厳しく発言する人と言われることが多く、戸惑うこともあります。特にそういう意識でやっているわけではありません。少し前なら、自分が書いていることなんて、「ひ弱」の部類だと思いますよ。ただ今の世の中が、空気を敏感に嗅ぎ取りながら発言することが「正しい」とされてきたからに過ぎないのではないかと。

気持ち悪いことは気持ち悪いと言っているだけだと。

 そうですね。ある人の発言がおかしいと思ったから「おかしくないですか」と言っているだけです。業界の先輩の批判をすると、「そんなことを言って大丈夫? この業界で生きていけなくなるんじゃないの?」なんて言われることがあります。よく分かりません。おかしいと思ったからおかしいと言うのであって、それ以上でも以下でもないという感じです。ただ、物事に対して「おかしい」と思うストレッサーが生じやすいだけで、それに対してものを言い続けるということでしかないですね。

「答えがない」という選択肢もアリだと思う

武田さんの著書『紋切型社会 言葉で固まる現代を解きほぐす』(朝日出版社)を読ませていただいたんですが、とても不思議な印象を受けました。多くの本には強い主張があるんですけど、武田さんの本には「~~すべきだ」とか、「~~しろ」という要素があまりない。つまり、答えを提示するものではないんです。でも、「枠にはめない」ことこそが、大きなメッセージだったのではないかと感じました。そもそも答えを求めること自体、答えではないというような。

武田 おっしゃる通りだと思います。今回のテーマは「男のストレス事情」だそうですが、解決策なんてないと思います。たくさんの考え方を示して、それぞれで考えましょう、でしかありません

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