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男のストレス事情

疲れたら満員電車を降りてもいい 「ワガママ上等!」でいいじゃないか

アナキズム研究の政治学者 栗原康さんに聞く「生きづらさからの脱却」【2】

 森脇早絵=フリーライター

例えば、有給休暇を取ることは労働者の権利ですが、中には取得しにくい会社があったり、「周りに迷惑がかかるから、長期ではとても取れない」という場合もあるかと思います。

栗原 『村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝』(岩波書店)を出版したとき、読者の女性から感想の手紙が寄せられました。その女性は、息苦しい中でも働いて頑張っていたんですが、「そういえば有給休暇を一度も取れたことがなかった」と気付いたそうです。

 そこで伊藤野枝の生き方を知って、勇気づけられて、有給を取りたいと会社にかけあったそうで。結果、見事に取得できたと書いてありました。そういうことをやれる範囲でやっていくと、大きく変わるかもしれません。

案外、休んでみると問題なく休めてしまうかもしれませんよね。

「自主規制を突破していくことが大事」
「自主規制を突破していくことが大事」

栗原 実際に周りの迷惑になるかどうかというよりも、「迷惑になるかもしれない」と自分から抑えてしまうことが問題なんじゃないかと思います。そういう自主規制のようなものを突破していくことが大事なんじゃないかなと。

 ただ、それで休みを取った人に対して、社内では反発する人も出てきちゃうわけです。「自分は休まないで、こんなに頑張っているのに」って。自分が犠牲になった感じがするんですよね。でも、それは無視するしかありません。

 むしろ、みんなが休んでもいいんだということを、自分から実践して周りを煽っていくことが大事だと思います。

 伊藤野枝について面白いと思ったのが、彼女自身もすごくワガママなんです。思ったことは全部やるぞと。その代わり、彼女は、周りの人のワガママも否定しちゃいけないと言っています。もちろん、自分に害があるときはけんかをすればいい。だから、自分も周りもワガママに徹していくことが大事だと伝えているんです。

 ワガママに徹すること。その最初の一歩が、「声を上げる」ということなのかもしれません。

『村に火をつけ、白痴になれ』の読者は、女性の方が多かったんですか?

栗原 女性の反響が多かったですね。女性たちから「勇気をもらった」という感想をいただきました。

 伊藤野枝は女性ですが、「日本死ね」の話も、声を上げたのは女性でした。そういう意味では、女性は息苦しさが徹したからこそ、声を上げ始めているのかなと思います。一方で、男性が声を上げにくい部分があるかもしれません。(つづく)

(写真:菅野勝男)

栗原 康(くりはら やすし)さん
政治学者、東北芸術工科大学非常勤講師
栗原 康(くりはら やすし)さん 1979年埼玉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科・博士後期課程満期退学。専門はアナキズム研究。著書に、第5回「いける本大賞」受賞、紀伊國屋じんぶん対象2015第6位となった『大杉栄伝-永遠のアナキズム』(夜光社)。ほかに『G8サミット体制とはなにか』(以文社)、『はたらかないで、たらふく食べたい 「生の負債」からの解放宣言』(タバブックス)、『村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝』(岩波書店)などがある。

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