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男のストレス事情

疲れたら満員電車を降りてもいい 「ワガママ上等!」でいいじゃないか

アナキズム研究の政治学者 栗原康さんに聞く「生きづらさからの脱却」【2】

 森脇早絵=フリーライター

栗原 僕は「疲れたら満員電車を降りよう」と思うようになったものの、どこかで罪悪感がありました。自分はドロップアウトしてしまった。逃げてしまったんだと。でも、大杉の文章は、そんな自分を肯定してくれているような気がしたんです。

 そういう本を読んでいくうちに、満員電車は社会そのものを象徴しているのではないかと考えるようになりました。本当は非人間的な空間なんだけど、みんな「通勤のためには当たり前なんだ」と思い込んでいる。

「通勤電車に耐えながらエリートになるのが『いい人生』。そんな価値観を植え付けるのが、満員電車の時間なんじゃないか」
「通勤電車に耐えながらエリートになるのが『いい人生』。そんな価値観を植え付けるのが、満員電車の時間なんじゃないか」

 もっと言えば、例えば多くの人は、いい高校を卒業して、いい大学に入って、いい企業に入って、通勤電車に耐えながらエリートになるのが「いい人生」だと思い込んでいます。それが当たり前だという価値観を植え付けるのが、満員電車の時間なんじゃないかと思ったんです。

 でも大杉は、そういった自分をすべて一度ひんむいて、いつでもドロップアウトしていいんだと言っています。そこから「当たり前だ」と言われていることを疑って、自分の好きなことを少し考えてみなさいと。そういうことが大事なんだと。

 もちろん、高校生の頃は、こんなふうにちゃんと言説化できているわけではありませんでしたが、直感的に腑に落ちたんです。

 これが大杉栄との出会いでした。大杉栄、そして彼の思想であるアナキズムって面白いなと。

みんなが休みを取れるように、自分から休んで煽ればいい

先ほどのお話にも出ていた満員電車のサラリーマンも、満たされないものがあったのかもしれませんね。社会で生きていると大なり小なりストレスを感じ、中には行き詰まっている人もいるかと思います。そういう場合、一瞬でも、一回でもいいからドロップアウトして、自分の中の「当たり前」に向き合うことが解消のヒントになるのかもしれないと。

栗原 旅行でもいいと思うんですよね。数日でも、1週間でも、1カ月でも。究極的には、辞める選択肢もアリかと思います。昔、OLが会社を辞めて語学留学に行くことを、世間はばかにしたような捉え方をしていましたが、それでもいいと思うんです。

 休みの時間、何か勉強する時間を自分でつくることが大事なのかなと思います。

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