日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

日経 Gooday

ホーム  > ダイエット・食生活  > ビジネスパーソンのコーヒー学 ~コーヒーと健康最前線~  > コーヒーは1日何杯まで飲んでいいのか  > 4ページ
印刷

ビジネスパーソンのコーヒー学 ~コーヒーと健康最前線~

コーヒーは1日何杯まで飲んでいいのか

第7回 ちゃんと知りたい! コーヒーのいいこと・悪いこと――ネスレ日本の福島洋一さんに聞く(後編)

 柳本操=ライター

カフェインにも強い人と弱い人がいる

コーヒーを寝る前に飲んでもグーグー眠れる人と、夕方以降に飲むと目が冴えてしまって眠れなくなる人がいます。この違いはどこにあるのですか?

福島さん お酒(アルコール)に強い人と弱い人がいるように、カフェインにも強い人と弱い人がいるのです。カフェインが結合するアデノシン受容体に個人差があることが知られています。カフェイン感受性が高い人は、実際に脳が反応しやすいというわけです。

 カフェインを分解する能力が低い場合も、肝臓でカフェインが分解されず、そのまま全身をめぐることになります。つまり、多くのカフェインが血中に長くとどまることになるわけです。先ほど1日のコーヒー摂取量は、3~5杯が目安という話をしましたが、カフェインの効果を強く感じて心配な人は、飲む量を控えたほうがいいでしょう。もしくはカフェインレスを選んでください。カフェインレスコーヒーもポリフェノールは同じだけ入っていますので、夕食後の一杯のカフェインレスコーヒーはポリフェノール摂取の観点でもお勧めです。

カフェインは基礎代謝を上げる

その他に、福島さんが注目されているカフェインの効果はありますか。

福島さん 「カフェインは基礎代謝を上げる」という研究が1980年にスイスのネスレ中央研究所によって報告されています(Am J Clin Nutr,33(5),989-97,1980)

 コーヒー6杯程度のカフェインを空腹時に摂取すると、基礎代謝は約16%上がり、脂肪燃焼のもとになる遊離脂肪酸が増え、脂肪燃焼が高まるというものです。コーヒー3杯程度でも、基礎代謝は約12%上昇しています。

 ただし、「じゃあ、コーヒーでカフェインをとればやせるの?」というとそんなに話は簡単ではありません(笑)。カフェイン摂取量が増えた場合に体重に影響があるかどうかを12年間追跡した米国の調査があります。平均体重はどの条件でも増加していくのですが、BMIが30以上の肥満女性に限り、太り方がやや小さかったという結果でした。他の条件では差は見られませんでした。このようにカフェインによる体重増加の抑制は、非常に限定された結果しか出ていません。

やはり、ただ飲むだけではやせないんですね。「ダイエットしたいなら運動と組み合わせよう」ということですね。

福島さん その通りです。しかも、運動とコーヒー摂取を組み合わせると、スポーツ時のパフォーマンスが上がります。実際、カフェイン入りコーヒーを飲むと中距離走(1500m走)のタイムが3秒ほど速くなることがわかっています(Br J Sports Med,26(2),116-20,1992)。3秒といえば、かなりの効果だといえます。

 このため、2004年まではカフェインはドーピングの検査対象薬物とされていたくらいです。コーヒーやお茶からカフェインは日常的に摂取されることもあり、今は指定薬物ではなくなりましたが、競技会での監視は続けられています。

カフェインによる血圧上昇は緩やか

そのほかの、コーヒーの「心配な点」についても教えてください。「コーヒーは血圧を上げるのではないか」という話があるそうですね。実際、コーヒーを飲むと「ドキドキする」という人がいます。私もそう感じることがあります。

福島さん 確かに、高血圧について心配されている方がいらっしゃるようです。カフェインには強心作用(心臓の収縮力を高める働きのこと。心拍数や血圧が上がったりする)がありますからコーヒーを摂取した直後は血圧は上がります。ただし、その上昇の度合いはそれほど高くはありません

 実際に、こんな研究があります。「コーヒーを一度に3杯摂取した時、3時間後までに上の血圧は8mmHgしか上昇しない。しかも1日3~5杯を2週間摂取しても、血圧には変化がない」という研究結果です(Am J Clin Nutr,94(4),1113-26, 2011)。

 私たちの生活の中には、さまざまなタイミングで血圧上昇の機会があります。たとえば緊張する会議では血圧は20mmHg上がり、通勤では14mmHg、歩行によっても12mmHg上がるといわれています。もちろん血圧が高い人はお医者様に相談すべきですが、健康な方が過度に気にする必要はないでしょう。

 ただし、強心作用があるのは確かです。パニック障害の患者さんは、動悸などの症状から不安感を誘発する可能性があるので、注意が必要です。

RELATED ARTICLES関連する記事

ダイエット・食生活カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 老化を左右する血管! 若返りのポイントは?

    体の中に縦横無尽に張り巡らされた「血管」をよい状態に保つことは、健康を維持するため、そして老化を防ぐために極めて重要だ。では、強い血管をキープし、老化した血管を若返らせるには、何をすればいいのだろうか。本特集では、2万例を超える心臓・血管手術を手がけてきたスペシャリストに、血管の若さを維持する秘訣と、血管を強くする運動法・食事法を聞いていく。

  • つらい「肩こり」は動的ストレッチで解消!

    肩こりの原因の大半は、生活習慣。すなわち、不自然な姿勢で過ごすことや、たとえ良い姿勢であっても長時間続けてしまうことが、首や背中の筋肉を緊張させ、筋疲労を引き起こす。この記事では、肩こりに関する記事の中から重要ポイントをピックアップして、肩こりの解消方法をコンパクトに紹介していく。

  • 筋肉博士が教えるロコモ予防の下半身筋トレ

    健康寿命を延ばすためには、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動だけでなく、「筋トレ」も重要であることが最近改めて認識されている。東京大学大学院教授で“筋肉博士”こと石井直方さんは、「寝たきりにならないためには、40~50代のうちから筋肉量を増やす意識で運動することが大切」という。そこで本特集では、石井さんに聞いた、筋トレの効果と、具体的な下半身筋トレの方法を一挙に紹介する。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2019 Nikkei Inc. All rights reserved.