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ビジネスパーソンのコーヒー学 ~コーヒーと健康最前線~

お酒の後はコーヒー!? 肝機能、痛風にも効果あり

第3回 メタボに悩むビジネスパーソンはコーヒーを!――国立健康・栄養研究所 古野純典さんに聞く(前編)

 柳本操=ライター

コーヒーの肝機能への効能は「飲んべぇ」ほど効く

古野先生は、30年も前からコーヒーをテーマに研究をされているのですね。そもそも先生は、どうしてコーヒーに目をつけられたのですか?

古野さん 私の専門は「予防医学」です。どうすれば生活習慣病やがんなどの病気を予防し、健康に長生きできるのか――というテーマで長年研究してきました。

古野純典さん。医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所所長。1949年、長崎県生まれ。1974年、九州大学医学部卒業。81年にロンドン大学疫学修士課程修了。福岡大学医学部助教授(公衆衛生学講座)、防衛医科大学校教授、九州大学大学院医学研究院教授を経て現職に。
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 私は1980年代後半から、自衛官の男性を対象に肝機能の数値などを調査する研究を行いました。その自衛官の健診データを解析していくうちに、「コーヒーを飲んでいる人は肝機能検査の数値がいい」という傾向が確認できたのです。手軽に飲めるコーヒーがカラダにいいなら、こんなにいいことはないですよね。それでもっと突き詰めようと思ったのです。

 1992年には、米国の研究者であるアーサー・クラツキー氏らによって「コーヒーを飲む量が多いほど、アルコール摂取による肝硬変リスクが下がる」というコホート研究が発表されました(編集部注:同氏らは、その後も12万5000人を対象に22年間追跡する大規模研究によって、「毎日4杯以上コーヒーを飲む人は全く飲まない人に対してアルコール性肝硬変の発症率が5分の1になる」という報告を2006年に行っている)。当時、同じようにコーヒーに目を付けていた私は、彼らの報告に大いに刺激を受けました。

アルコール摂取時のγ-GTP値の変化
アルコールを摂取するとγ-GTPの値は上昇する。その際、コーヒーをほとんど飲まない人に比べて、毎日コーヒーを飲んでいる人のγ-GTP値の上昇率は低くなる傾向が確認できた(自衛官健康調査1986-1992年、Am J Epidemiol 1994;139:723-7)
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 防衛医科大学校にいた頃に2500名の自衛官のデータをまとめて解析した結果、ビール2本分程度のアルコールを摂取した人の「γ-GTP」の値は、コーヒーをほとんど飲まない人よりも毎日飲む人のほうが平均で10以上も低いことがわかりました(右のグラフ)。γ-GTPは、肝臓の状態を判断する指標の一つで、アルコールを飲んだときに上がります。つまり、「アルコールにより肝機能が悪くなるのを、コーヒーが抑える」わけです。私どもがその研究結果を論文にまとめたのが1994年のことです。

*ALT(GPT)とAST(GOT)、γ-GTPは、肝臓の状態を判断する基本的な指標。AST、ALTは肝細胞のなかでアミノ酸の代謝に使われる酵素。肝細胞が壊れると、血液中に漏れ出てくるため、数値が高くなる。この数値とバランスから、肝細胞の壊れ具合や原因疾患を知る手がかりになる。γ-GTPは肝臓で作られ、アルコールを飲みすぎたときに高くなる。詳しくは「糖質のとりすぎは肝機能の数値でチェックできる」の記事を参照)。

コーヒー以外の飲み物では効果はなかったのですか?

古野さん 緑茶でも調べましたが、肝機能との関連は見られなかったですね。

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