「からだに悪いコーヒー」が「飲むべきくすり」に!
第1回 “コーヒー悪者説”が覆された歴史――東京薬科大学名誉教授 岡 希太郎さんに聞く
柳本操=ライター
岡さん コーヒーとお茶は、ともに世界中の人々に飲まれている存在ですが、どちらにも共通するのが、カフェインとポリフェノールという炎症予防作用と抗酸化作用がある物質を両方含んでいることです。カフェインやポリフェノールは、脂肪を燃やす働きがあるなど、さまざまな薬理効果を持っているのですが、両方あると相乗効果が出るのです。「カフェインとポリフェノールの相乗効果」と呼ばれるものです。
コーヒー1杯に含まれるカフェインとポリフェノールは、浅煎りのレギュラーの場合でそれぞれ100mg、200mg程度です。緑茶(煎茶)の場合はそれぞれ半分の50mg、100mg 程度となっています。コーヒーほどではありませんが、お茶も両成分を多く含みますから、健康効果を期待できます。ただ、疫学研究ではコーヒーの研究が圧倒的に多いため、コーヒーの健康効果の方がマスコミなどで多く取り上げられるのです。日本で緑茶の疫学研究が少ないのは残念ですね。
いま注目は「血液サラサラ」効果!
さまざまあるコーヒーの健康効果の中で、今、岡先生が一番注目しているものは何ですか?
岡さん コーヒーの健康効果は、がん予防や2型糖尿病の改善、脂肪燃焼の予防などいろいろあります。それらの中で、私が今、最も注目しているのが「血液サラサラ効果」です。
主なコーヒーの健康効果 |
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がん予防(肝がん、子宮体がん) |
2型糖尿病の予防 |
気分しゃっきり、覚醒効果 |
血液サラサラ効果 |
脂肪燃焼の促進 |
運動時のパフォーマンスを上げる |
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