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Gooday's View 記者の目

川島・鎧塚夫妻からの、がん患者への応援歌『カーテンコール』

 内山郁子=日経Gooday

 ただただ放置し、あきらめて天命をまつのが一番賢く穏やかな生き方という理論。経験者としてはそれがすべて正しいとは思えません。

 がんと診断されたら放置するのではなく、その対処いかんでより健全で、充実した生き方が待っている。それは、私ががんになってみて初めて分かったことなのです。

 がんと診断された皆さん、決して「放置」などしないでください。まだやるべきことは残っています。

 がんと診断されてすぐに手術しなかったこと、抗がん剤や放射線治療を受けなかったことは近藤氏の影響かもしれないと振り返る川島さんが、その上で「がんを放置などしないで」と訴える。「対処いかんで、より健全で充実した生き方が待っている」と呼びかける。このメッセージは、私の胸にずしんと響きました。

患者と家族、妻と夫の愛の物語

 常に前向きで冷静な川島さんの筆致とは対照的に、川島さんを支え続けた夫の鎧塚さんの筆致には、生々しい感情のゆらぎがにじみ出ます。がんが再発した2014年8月、鎧塚さんだけが知ることとなった「もって1年」という余命宣告。それを胸に秘めながら、女優として生きる川島さんとともに歩んだ日々の記録は胸を打ちます。

 ささいなすれ違い、小さなケンカ。あのとき妻はこんなことを感じていたのか、でも僕の真意はこうだった―。代わってやれない病に侵された妻、それを見守る夫。想像を絶するストレスを、ユーモアで吹き飛ばし、二人の結びつきはどんどん強くなっていきます。

 手術日に突然、頭を丸坊主にして、麻酔から覚めた川島さんを渾身のサプライズ!で笑わせる。トイレットペーパーに長い長い手紙を書く。寿司屋「俊兵衛さん」の扮装で、病室においしい寿司を届ける―。鎧塚さんのユーモアに川島さんはどんなに喜び、励まされたことでしょう。

 夫婦の愛の物語としても心に響く『カーテンコール』。病を持つ本人だけでなく、愛する人が病に侵された人にも、ぜひご一読をお勧めします。

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