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Gooday's View 記者の目

エコノミークラス症候群、高血圧、感染症…震災関連疾患はこう防ぐ!

医学関連学会、震災関連疾患の対策を続々とネットで公開

 日経Gooday編集部

 熊本地震の被災地で、エコノミークラス症候群の患者が増えている。4月21日の日本経済新聞の報道によると、「エコノミークラス症候群」など震災関連死とみられるケースは10人に上る。

 車中などでの睡眠を余儀なくされた被災者が、動けない状態で長時間いると、血流が悪くなり脚の静脈中に血の塊(血栓)ができる。この血栓が肺に届き、動脈を詰まらせてしまうというものだ。今回のように、重篤な場合は突然死することもある。

 この事態に、医学関連学会が相次いで予防法などをネットに公開した。

 日本循環器学会、日本心臓病学会、日本高血圧学会は4月18日、3学会合同で「『避難所における循環器疾患の予防』に関する3学会共同声明」をネット上に公開した。エコノミークラス症候群のほか、急性心筋梗塞や心不全などの予防策を9つ公開している。以下に要旨をまとめた。

エコノミークラス症候群や循環器の疾患を防ぐための9つの対策
1. 睡眠の改善
災害時こそ睡眠が大切。夜間消灯に加え、アイマスクや耳栓の使用、振動防止のマットレス使用などの工夫をして睡眠環境を改善し、6時間以上の良質な睡眠の確保に努める
2. 運動の維持
1日20分以上歩行することを心がける。特に車中泊などで下肢を下げたまま長時間動かない姿勢をとると、エコノミークラス症候群が発生し致命的になることがある
3. 血栓予防
水分は十分とるように心がける。水分摂取の大まかな目安は、心臓や腎臓が悪くない方で1日1000mL以上
4.良質な食事
できるだけ減塩に努め、カリウムの多い食事(緑色野菜、果物、海藻類)を多くとる。無塩のトマト・野菜ジュースもお勧め
5. 体重の維持
震災前の体重からの増減を±2kg以内に保つ。体重が2kg以上減少した場合には、脱水や栄養障害が考えられる。2kg以上増加した場合には、心不全や慢性腎臓病の悪化や、摂取カロリー過多の可能性がある。体重が増加したり夜間の息苦しさなどを自覚された場合は医師の診察を受ける
6. 感染症の予防
マスクの着用、手洗いの励行(不可能な場合はアルコールによる手の消毒)に努める。感染者の隔離や抗生剤服用を早期から行うなど、避難所全体で協力して感染症の蔓延を防ぐ
7.内服薬の継続
降圧薬やその他の循環器疾患の内服薬は必ず継続する。普段飲んでいる薬がわからなくなってしまった場合は、可能な限り医療機関や避難所を巡回してきた医師に相談する
8.血圧の管理
血圧を測定し、収縮期血圧140mmHg以上なら医師の診察を受ける
9.禁煙の勧め
喫煙は、血圧を上昇させ、血液を固まりやすくするため、脳卒中や心筋梗塞の大きな危険因子となる。発症率が高まる震災後は、禁煙を心がける

 エコノミークラス症候群だけでなく、血圧の管理にも注意したい。震災後2~4週間は、災害によるストレス、睡眠不足、水分不足などが重なり、最大血圧(収縮期血圧)が平均5~25mmHgほど上昇するという。この血圧上昇は個人差が激しいが、高齢者、慢性腎臓病、肥満・メタボリックシンドロームなどのある人は特に注意が必要だ。3学会では、できるだけ食塩の摂取を減らし、野菜ジュースなど、カリウムの多い食品をとることを勧めている。現在服用している降圧薬がある人は、服用を継続することも重要だ。

 日本高血圧学会も「災害時循環器疾患の予防・管理に関するガイドライン」をネットで公開している。

 このほか、日本心臓病学会も「熊本地震についての緊急声明」を公開、避難生活によって生じる二次的健康被害についての情報などを公開している(こちらを参照)。

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