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Gooday's View 記者の目

ある日突然に「介護」。異文化のぶつかり合いが、なぜか心を打つ映画『つむぐもの』

病に倒れた和紙職人と韓国から来たヘルパー女子が心を通わせ、そして…

 内山郁子=日経Gooday

 ヨロブン、アンニョンハセヨ(みなさん、こんにちは)! 日経グッデイ編集部の内山です。今回は、病のため体が不自由になった和紙職人と、ワーキングホリデーで日本にやってきた落ちこぼれ韓国女子が、「介護」を通じて心の絆を築く過程を丁寧に描いた映画『つむぐもの』を紹介します。

 (C)2016 「つむぐもの」製作委員会
(C)2016 「つむぐもの」製作委員会
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 本作は、映画製作のほか介護事業も手掛ける前田紘孝氏が製作プロデュースを行った作品。2015年11月には、約2000人の介護職員が参加した、介護事業所の最優秀賞を決めるイベント「第5回介護甲子園」で完成報告の舞台挨拶を行ったことが話題になりました。数々の映画やドラマで渋い脇役を務める、芸歴50年の俳優・石倉三郎の初主演映画です。

 物語の舞台は福井県の丹南地域。和紙や漆器、越前焼など、伝統工芸が古くから受け継がれてきた地域です。主人公の剛生(たけお、石倉三郎)は、紙すき一筋で生きてきた越前和紙の職人で、妻に先立たれて独り暮らしをしています。その剛生のもとに、韓国人女性のヨナキム・コッピ)が訪れます。ヨナは、韓国で勤めていた博物館を首になり、実家にいづらくなったため、ワーキングホリデーを利用して日本に働きにやって来たのでした。

 ところが、ヨナの目の前に現れたのは、脳腫瘍で倒れ、一命はとりとめたものの左半身が不自由になった剛生。「越前和紙作りの手伝い」をするつもりで日本に来たのに、剛生の「身の回りの世話」をすることになってしまいます。いわゆる「住み込みのお手伝いさん」ですね。和紙組合の理事長・石川日野陽仁)らの計らいで、剛生は介護施設「なごみ」の訪問介護を受けながら、日常生活ではヨナのサポートを受けることになったのです。

「越前和紙作りの手伝い」をするつもりで日本に来た韓国人女性ヨナ(キム・コッピ)の目の前に現れたのは、脳腫瘍のため左半身が不自由になった和紙職人の剛生(石倉三郎)だった。 (C)2016 「つむぐもの」製作委員会
「越前和紙作りの手伝い」をするつもりで日本に来た韓国人女性ヨナ(キム・コッピ)の目の前に現れたのは、脳腫瘍のため左半身が不自由になった和紙職人の剛生(石倉三郎)だった。 (C)2016 「つむぐもの」製作委員会

 剛生の性格は、一言で表せば「頑固」。対するヨナは「勝気」です。そんな水と油の2人が、突然、世話をされる側とする側に立たされてしまう─。なかなかキツイ状況です。そもそも言葉が通じない。しかも異文化。ヨナの作る食事が口に合わず、ヨナの振る舞いに「行儀が悪い」と腹を立て…でも、世話をしてもらわなければ生きていけない。その戸惑いと、自尊心を傷つけられた怒りと痛みが剛生の姿からにじみ出ます。

 そして、思いもよらぬ形で思いもよらぬ仕事をすることとなったヨナ。ふてくされた表情で剛生の世話を焼き、命令口調に反発して怒鳴り返す。どうなってしまうの!?と、はらはらさせられますが、さすがに女子は現実的。ここで介護をやるっきゃない!と開き直り、少しずつ日本語を覚え、介護施設「なごみ」で介護の技術を教えてもらいながら、介護の現場にも異文化の風を吹き込みました。

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