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インフルエンザ総特集

インフルエンザの新薬ゾフルーザは“早く楽になる”

ウイルスの消失が速く、家族内感染を減らせる可能性

 金沢 明=医学ライター

 タミフルとの直接比較でも、ゾフルーザの方がより早くウイルスが減少することが示されている(図1)。患者がインフルエンザウイルスを排出しなくなる(ウイルスが陰性になる)までの時間の中央値は、タミフルを投与されたグループが72時間だったのに対し、ゾフルーザを投与されたグループは24時間2日もの差があった。

図1 ゾフルーザとタミフル投与後のインフルエンザウイルスの減少量
ゾフルーザの治験(第III相臨床試験)データより。投与の翌日(2日目)には、ゾフルーザを投与された患者は、タミフルを投与された患者よりも100倍早くウイルスが減少していることを示している(グラフは対数)。
[画像のクリックで拡大表示]

 「インフルエンザの症状の改善は体の免疫反応なので、ウイルスの量だけで単純に決まるわけではなく、その程度や持続期間には個人差があります。そのことを踏まえても、ゾフルーザを使用した人で早く症状が良くなる人が目立つのは、ウイルスの消失スピードの速さが影響していると考えられます。さらに、ウイルスの消失が早いということは、家族や周囲の人にうつす2次感染のリスクを低くする可能性を意味します」(廣津氏)。

家族内感染の起こしやすさは薬によって異なる

 実は、廣津医師が中心となって2010年から2016年にかけて行った研究(*2)によると、どの薬を使うかによって、インフルエンザの家族内感染の起こりやすさに差が見られることがわかっている。この研究には新薬のゾフルーザは含まれておらず、4種類の従来薬(タミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタ)を比較している。

 対象は、インフルエンザに感染した1807人(A型1146人、B型661人)の患者とその家族。患者の発症後、家庭内で同じ型のインフルエンザに感染した人(2次感染者)の割合(2次感染率)を調べたところ、2次感染率は、タミフルを使用した患者で最も高かった。そのタミフルとの比較で、統計学的に有意に2次感染率が低かったのは、ラピアクタリレンザだった。イナビルとタミフルの間には統計学的な差がみられなかった。

 廣津氏は今後、ゾフルーザについても同様の研究を行い、ゾフルーザを飲むことによってインフルエンザの家族内感染のリスクが本当に減るかどうかを検証する予定だという。

ゾフルーザは1回飲むだけで治療が完了

 ゾフルーザのもう1つの従来薬との違いは、「1回飲むだけで治療が完了する飲み薬」であるという点だ。

 これまでのインフルエンザ治療薬で、飲み薬としてはタミフルがあったが、1日2回、5日間飲む必要があった。1回の投与で済む薬としては、吸入薬のイナビルと点滴薬のラピアクタがあるが、「点滴薬のように時間がかからず、薬を受け取って1回飲めば治療が完了するという意味では、ゾフルーザにはイナビルに匹敵する利便性があると言えます。飲み薬であれば、吸入が上手にできない小児でも使うことができます」と廣津氏は話す。

*2 Hirotsu N, et al. Influenza Other Respir Viruses. 2018 Jul 10. doi: 10.1111/irv.12590.
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