東京都、インフルエンザ流行が始まる
患者の60%近くは9歳以下の子ども
三和護=日経メディカル
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東京都でもインフルエンザの流行が始まった。11月26日までの1週間(第47週)に定点医療機関を受診した患者は775人で、インフルエンザ定点当たり報告数(速報)が1.86人となり、流行開始の目安とされる「1人」を超えた。
患者の60%近くが9歳以下の子どもたちであることから、療養中の異常行動による転落死などには十分に注意する必要がある。厚生労働省は11月27日、小児・未成年者に異常行動が多いとし、療養中は1人にせず飛び降りや飛び出しへの対策を求める注意喚起をしたばかりだ(関連記事「インフルエンザ療養中の転落死に注意、厚労省『玄関や窓の施錠を』」)。

既に沖縄県、長崎県、宮城県、福井県、石川県、新潟県、福岡県などでは定点当たりの報告数が1人を超え、流行が始まっている。
東京都の集計によると、11月26日までの1週間で定点医療機関を受診した患者数は775人だった。定点当たりでは1.86人となり、都全域で流行入りした。
年齢別で見ると、9歳以下が456人と58.8%と最多だった。10歳代が24%で続いている(図1)。地域的には、世田谷区が241人で多く、江東区73人、大田区54人、練馬区47人と続く。

インフルエンザの流行ウイルスのタイプは、都のウイルス検出状況(~45週)によると、A/H3N2が6件、A/H1N1pdm2009が5件、B型が3件となっており、混合流行の様相を呈している。
入院サーベイランスによる入院患者数は、25カ所の基幹定点医療機関から15人が報告された。年齢別では、80歳以上が10人と大半を占めている。70歳代が3人、60歳代と40歳代がそれぞれ1人だった。