インフルエンザ感染者、じわり増加
ウイルスの流行株は地域によって異なる
三和 護=日経メディカル
2015年~2016年シーズンのインフルエンザ流行速報から、知っているようで知らないインフルエンザの基礎知識まで、この特集で一挙解決! インフルエンザ流行マップはこちらで毎日更新中です。
例年になく遅い立ち上がりとなっているインフルエンザ流行だが、ここにきて患者数の増加が目立ってきた。都道府県がまとめているインフルエンザ定点当たり報告数(速報)によると、2015年12月27日までの1週間(52週)に全国の定点医療機関を受診した患者数は3734人で、定点当たり0.76人と前週の0.46人から増加した。
最も多いのは秋田県の6.65人で前週(3.41人)から95%増となった。沖縄県(2.74人)、北海道(2.35人)、新潟県(1.87人)、福島県(1.43人)と続いている(図1)。


特徴的なのは検出されているウイルスの流行株が地域によって異なる点だ。秋田県は、B型も1件検出されているが、これまで報告された10件中、A型のA(H1N1)pdm2009が9件とほとんどを占めている。一方、沖縄県や北海道、新潟県はA型のA(H3N2)(香港型)が主流でAH1pdm09は検出されていない(表1)。
1月3日までの第53週は、年末年始で休診する定点医療機関も多かったため、次回の定点当たり報告数は減少するとみられる。ただ、このところ朝晩の冷え込みが続いており、加えて今週末以降、全国的に気温が低下するとの予報も出ていることから、今月中旬にかけて全国的に流行入りする可能性が高い。