劇的な即効性をうたう健康食事法は絶対「体に悪い」
第4回 コロコロ変わる「カラダにいい食事」とどう付き合うか
亀田圭一=コンディショニングトレーナー、BODY TIPS代表
次から次へと出てくる栄養学
「カラダづくりは栄養が6割、運動が4割」
これは、私がトレーナーとして、アスリートを相手に仕事をしていた時代から、一般の方々のカラダづくりに携わる現在まで、変わらずに言い続けてきたことです。
カラダは日々食べたものを材料としてできています。また、何を食べるかは、人間の生命活動を左右するホルモンの分泌にも大きく関係しているとされています。そう考えると、6割どころではないかもしれません。それほど、日々の食事が重要であることは、私のこれまでの経験からも実感していることです。

ところが、どのような食事がいいのかを示すはずの栄養学は、よくいえば日進月歩、悪くいえば、これほどコロコロ変わるものはありません。
書店に平積みになっている健康本は、気を引くタイトルで読者を誘惑します。ネットを覗いて調べ物をすれば、興味をそそる話題が山のように並び、読み漁るうちに自分の行動に統一性がなくなってくるという人もたくさんいるのではないでしょうか? あるいは、何かひとつの情報がインプットされると、誰かが洗脳した訳でもないのにその呪縛から逃れられなくなってしまいます。
「〇〇を食べてはいけない!」
「◇◇を食べると病気になる!」
そんなネガティブな訴求の仕方は人の目を引くのか、この手のものが増えているようにも思います。
食事がカラダづくりに大きく関係していることは、どなたも感じていることでしょうから、いきおいこうした情報には敏感になりやすくなります。
世の中にあふれる栄養学や食事法に対して、自分で判断して、自分に合うものを合う形で取り入れるならばいいのですが、なかなかそうはいきません。「○○をまったく食べてはいけない」「△△を食べていれば大丈夫」といった極端な食事法は、これまでにない目新しいものだと映るためか、残念ながらこうした情報に踊らされがちな人が少なくありません。
ところが、そうした極端な食事法は、2年、3年もすればほとんどが忘れられてしまいます。今流行っているものも、5年もすれば「あのブームはいったいなんだったのか」と思うようになることでしょう。
