日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > からだケア  > カラダにいい!がカラダを壊す  > 「これ、健康に悪い…」その反省が病気を招く?  > 2ページ目
印刷

カラダにいい!がカラダを壊す

「これ、健康に悪い…」その反省が病気を招く?

第3回 疲労と疲労感は別物。疲労感の軽減を考えよう

 亀田圭一=コンディショニングトレーナー、BODY TIPS代表

「疲れやすい」は、必ずしも老化ではない

 疲労と疲労感を区別して考えれば、「疲れやすい」という状態は、必ずしも老化が原因ではないことがおわかりでしょう。

 もちろん、ある程度の年齢になれば、誰でも肉体的な衰えは生じますが、それはあくまでも単純な「疲労」─基本的には肉体的な疲労です。その対策としては、症状に応じた運動や食事の摂り方、睡眠などの休息の仕方に工夫を凝らし、積み重ねていくことが正しい方法です。

 しかし、「疲労感」は、カラダを動かしたわけでもないのに襲ってきます。ですから、また異なる対策が必要になってくるのです。

 なぜなら、「疲労感」は、脳の働きと深く関係しているからです。さらにいえば、人間の「欲」とかかわっているのではないかと、私は思うようになりました。

「疲労感は、カラダが感じているというよりは、カラダの一部である脳が感じています」(亀田)
「疲労感は、カラダが感じているというよりは、カラダの一部である脳が感じています」(亀田)

 この疲労感は、カラダが感じているというよりは、カラダの一部である脳の前頭前野と呼ばれるエリアがかかわっているとされています。

 前頭前野といえば、アルツハイマー病に代表される認知症の文字が頭に浮かんできます。以前に見たテレビの科学番組で、アルツハイマー病は25年かけて発症すると知った時、衝撃を受けたことを思い出しました。脳内にアミロイドβという物質が25年かけて沈着し、徐々に脳が萎縮していくのだそうです。

 だとすると、およそ40代に入った頃には、こうした変性が私たちの脳に起こり始めている可能性が高いことになります。

 私の近しい人にも認知症の方がいらっしゃるのですが、進行するにつれ、「欲」がなくなっていく傾向を感じます。もしかすると、欲が小さくなっていくことが、なかなか抜けない疲労感の正体かもしれないと考えたりもします。

 疲労感は年齢と歩調を合わせて現われるがゆえに、先ほどの言葉、「年ですかねぇ?」につながっているのではないかと考えます。もっともこの話にはまったくエビデンスはなく、私の個人的推察に過ぎません。自分の身の周りにある事象から考えると、そのように思います。

「疲労感」は最小限にとどめることができる

 確かに、「年をとれば欲がなくなる」、そして次に「疲労感が増す」と考えれば、疲労感もまた広い意味で加齢と深く関係しているのではないかといわれるかもしれません。

 しかし、「疲労」が加齢によって避けられないのにくらべると、「疲労感」のほうはそれを最小限にとどめることができるかもしれません。「欲」をなくさなければよいというのが、私の考え方です。この「欲」は、「好奇心」や「ものごとに対する興味」ということばに置き換えるとわかりやすいかもしれません。

 たとえば、会社の上司とのミーティングでは30分でくたくたに疲れてしまうことがあっても、気の合う友人たちや心ときめく異性とは何時間話していても疲労感を覚えません。また、同じようにパソコンに向かっていても、人にやらされている仕事ではすぐに疲労を感じてしまうのに、旅行の予約や趣味の調べものでは疲れることがありません。

 これが、まさに「欲」が疲労感を左右している証拠ではないでしょうか。もし「欲」をほとんどなくしてしまえば、たとえ親友や素敵な異性と会っていても、すぐに疲れてしまうことでしょう。

 人間はいくつになってもやりたいこと、手に入れたいものなどがあった方がよいと思います。

 「いい年をしてこんなことやると可笑しいかな?」とか、「こんな服を着て歩いたら笑われるかな?」などと考えて自分を抑えるのはやめましょう。

 そういうことの連続がひとつずつ「欲」を失っていくことにつながるのではないかと思います。人間は死ぬまでやりたいことをして生きたいものです。いい年を迎えたオッサンとして、心底そう思う今日この頃です。

 もちろん、疲労感の多い少ないには、栄養や適度な運動も深くかかわっていることは確かです。カラダと心は深くつながっているのですから、それは当然です。ただそれに加えて、「欲」という存在が、いかに大切なものであるかをわかっていただきたいのです。

RELATED ARTICLES関連する記事

からだケアカテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 怖い病気を招く「中性脂肪」を食事・運動で徹底対策!

    健康診断でもおなじみの項目である「中性脂肪」。血液中の中性脂肪が150mg/dLを超えると、脂質異常症の1つ、「高中性脂肪血症(高トリグリセライド血症)」と見なされる。血管の老化を防ぎ、心筋梗塞や脳梗塞を遠ざけるためにも、中性脂肪が上がるのを避けなければならない。そこで、今回はやっかいな中性脂肪の正体や、食事や運動でできる鉄板の対策法を一挙紹介していく。

  • 長年の悩み「腰痛」を解消! 痛みを和らげる体操4選

    腰痛は日本人の国民病とも言える身近な症状だ。特に問題なのは、原因がはっきりしない、「なんだか知らないけど、いつの間にか…」始まってしまう「慢性腰痛」だ。長年にわたって慢性腰痛で悩む人は少なくない。そこで、今回は長引く腰痛の解消が期待できる体操を一挙紹介する。

  • 怖い緑内障 忍び寄る失明を回避するには

    緑内障は放っておくと失明を招く怖い病気だが、病気が進んでも中心部の視力は保たれるため、自分ではなかなか気づきにくい。本記事では、緑内障による失明を回避するために知っておきたい期症状の特徴や、早期発見のために必要な検査、最新治療などについてコンパクトに解説していく。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2022 Nikkei Inc. All rights reserved.