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カラダにいい!がカラダを壊す

筋肉を鍛えても「凝り」や「痛み」はなくならない

第2回 「1日1回鏡を見る習慣」がカラダへの気づきをもたらす

 亀田圭一=コンディショニングトレーナー、BODY TIPS代表

大切なのは筋肉のバランス

 もう少し詳しく、肩こりや痛みのメカニズムを考えてみます。多くの人は、肩の筋肉が固まって起きると感じていることでしょう。解剖学的にいえば、首から肩の裏側にある僧帽筋という筋肉です。その部分にこりや痛みを感じるので、私たちは無意識のうちに首や肩の裏側をもむわけです。マッサージや鍼灸でも、施術するのは首や肩の裏側です。

 でも、よく考えてみると変な話ではないでしょうか。現代人の日常生活や仕事は、パソコンの操作を代表として、ほとんど前かがみの姿勢になっています。それが肩こりや痛みの原因になっていることは、誰もが感じていることでしょう。

肩こりを例に取ると、凝りを起こす原因は前後の筋肉のバランスが問題。よって体を整えるならば、表側も対象にしなければいけない。
肩こりを例に取ると、凝りを起こす原因は前後の筋肉のバランスが問題。よって体を整えるならば、表側も対象にしなければいけない。

 ところが、凝っている僧帽筋は首や肩の裏側にありますから、前かがみの姿勢では伸びているはずです。縮こまって固まっているのではなく、伸びている筋肉がこっているのは、イメージに合っていません。

 ここから、肩こりや痛みは、単なる筋肉の縮こまりだけで起きるのではないことがわかります。結論からいうと、前後の筋肉のバランスが問題なのです。そのバランスが崩れるために、こりや痛みが発生するのです。

 筋肉というのは裏表の引っ張り合いで働きます。つまり、一方の筋肉が縮めば、もう一方が緩むという関係になっています。

 収縮して力を発揮した筋肉は、自分では元の状態に戻ることが出来ません。

 例えば、腕の力こぶをつくる上腕二頭筋という名前の筋肉があります。これが収縮して縮んだ時、筋肉が膨隆してあの力こぶが出来るのですが、その収縮した上腕二頭筋は自ら元の状態に戻ることが出来ません。どうするかと言うと、その裏側にある上腕三頭筋という、いわゆる「二の腕」の筋肉が収縮することによって元の状態に戻ります。

 つまり、裏表の関係で、どちらか一方が縮めば、他方は緩みます。ある仕事をする際に縮む側の筋肉を主動筋、その裏側の筋肉を拮抗筋と呼び、基本的には筋肉はほぼすべてこの関係で動きます。

 そうやって、裏表の関係で曲がった手足は元の位置に戻るのですが、その使用頻度や強度が高くなってくると、少しずつ疲労が蓄積され、完全に元の状態に戻り切らず、縮んだままになっていきます。

筋肉の裏と表の関係を知らなければ凝りは解消しない

 少し難しい話になりましたが、結局のところ、首や肩の筋肉もこれと同じ関係になっています。つまり、首や肩の裏側にある僧帽筋と、前側にある大胸筋という筋肉が、主動筋と拮抗筋の関係になっているのです。

 この裏表のバランスが取れている状態が理想であり、両者のバランスが保たれていれば運動能力の低下は防げますし、こりや痛みも防くことができます。

 ところが、前かがみの日常生活が続くと、前側にある大胸筋が縮んだまま、裏側にある僧帽筋は伸びたままの状態が続きます。すると、僧帽筋はもとに戻ろうとしますから、そこに張力がかかり続けていることになります。一方で、大胸筋は縮こまっているので、やはり力が入っています。このように、裏と表でどちらも力が入っているからこるのです。

 そうした状況に対して、裏側の僧帽筋だけを対象にマッサージしたり、ストレッチをかけたりしても、バランスが整いません。整えようとするならば、表側も対象にしなければいけないのです。

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