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カラダにいい!がカラダを壊す

筋肉を鍛えても「凝り」や「痛み」はなくならない

第2回 「1日1回鏡を見る習慣」がカラダへの気づきをもたらす

 亀田圭一=コンディショニングトレーナー、BODY TIPS代表

「使わない筋肉は緩む」ことなどない

 肩こりや肩の痛みでお悩みの方は多いことでしょう。その証拠に、都会ではマッサージや整体、鍼灸の店が次々に開業しています。

 ところが、そうした施術によって、肩こりや痛みが決定的に治ったという話はあまり聞きません。一時的によくなっても、すぐに元にもどってしまったという人がほとんどでしょう。マッサージなどでこりや痛みが治らないとなると、こんどは別の方法で解消しようという人も出てきます。それが運動です。

体力の向上や疲労、不調を改善するために、ジムに通って激しい筋トレをすることは、かえって体には逆効果になることも。(©fotomircea -123rf)

 「運動不足だから肩こりになるんだ。ジムに通って普段から筋肉を鍛えれば、この悩みとおさらばできるに違いない」と考えるわけです。

 はたして、それで本当に解決するのでしょうか。

 そこでまず、ひとつ大きな勘違いを訂正してもらいたいと思います。筋肉を使わずに放っておいたら緩んでしまうと考えている人が結構います。使えば縮む筋肉は、使わずに放ったらかしにしていると緩んでしまうと思っているようなのです。使い過ぎた筋肉が張り感や痛みの原因であり、反対に使わずに緩んでいる筋肉はうまく収縮できず働かないと思っている節があります。

 その結果が、疲れやすさにつながると思っていたり、体力の衰えになると考えているようなのです。さらには、筋力が弱くてカラダを支えられない、上手に使えない。だから肩こり・腰痛になるのだと思っている人が多いのです。しかし、残念ながら、その考えはまったく間違っています。

 確かに、大病をして長い間ベッドから動けない状態になった人や、宇宙飛行士のように重力がほとんどかからない環境に長期間いた人なら、筋肉がやせ細って衰えてしまう現象が起こります。

 ただし、それはあくまでも特殊な例であり、筋肉にかかる負荷がほとんどない状態になって初めて起こることです。ごく普通の環境で生活している人にとっては、むしろ逆の現象が起きています。使わないから緩むどころか、筋肉は収縮してどんどん硬くなっていくのです。

強い筋トレはさらにこりや痛みを増すだけ

 ずっと座りっ放しの一日の後、カラダが緩んで困ります、なんて訴える人にお目にかかったことはありません。

 なぜなら、じっとしている間も、自分では使っているつもりのない筋肉には一定の負荷がかかり続けているからです。その負荷とは、重力であり、自分のカラダの重さです。さらに、カラダが姿勢を崩した状態で居続けることにより、局所的に負荷がかかります。その結果が肩こり・腰痛です。

 ですから、ジムに通って激しい運動をするのは逆効果以外のなにものでもありません。激しい運動は、筋肉に強い負荷をかけることになり、さらに筋肉を収縮する結果になってしまうからです。筋肉はますます硬くなって、肩こりや腰痛の痛みはむしろ拡大することさえあるのです。

 誤解を避けるためにいえば、ジムの運動がすべて逆効果になるというわけではありません。適度で適切な運動を行うことで、肩こりや腰痛を和らげることは可能です。でも、ジムで多くの人が行っている強い筋トレ、長距離を泳ぐ水泳、誤ったストレッチでは、少なくともこりや痛みを解消するという目的からはかけ離れた結果になる恐れがあるのです。

 もちろん、アスリートがスポーツをきわめるために、ジムで激しいトレーニングをするのは別の話です。ここでは、あくまでも一般の人が、こりや痛みを解消するために行っている運動について論じています。

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