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抗生物質の乱用が招く「耐性菌」の脅威って?

耐性菌は、なぜ怖い?私たちはどうすればいい?

 稲垣麻里子=医療ジャーナリスト

「とりあえず抗生物質」には気を付けよ

 風邪をひいて近くのクリニックに行くと、「風邪ですね。とりあえず抗生物質を出しておきましょう」と医師から言われたことはないだろうか。感染症専門医で感染症コンサルタントの青木眞医師によると、一般的に抗生物質は「どんな感染症にでも効く万能薬」と誤解されているそうだ。「熱があるから、とりあえず抗菌薬」といった感じで乱用されることも。

 発熱、咳、鼻水、のどの痛み、下痢などのいわゆる風邪症状のほとんどはウイルスによるもの。基本的には、安静にしていれば自然治癒する。抗生物質には、これらウイルスによる風邪症状を抑える効果はまったくないのだという。

 それどころか、誤った服用や過剰な服用をすると、アレルギーや下痢などの副作用を起こしたり、体にとって必要な菌を死滅させたりするだけでなく、体の中にいる細菌が抗生物質に対抗して抵抗力を持つ、すなわち「耐性化」が起きてしまう。

 耐性化した細菌に対して、人類は新たな抗菌薬を開発して死滅させることで対抗してきたが、しばらくするとそれに対してもまた耐性を獲得した菌が出現してくる。人類と細菌は長い間こうしたイタチごっこを続けてきたが、抗菌薬の大量使用がなくなることはなく、現在、新薬の開発は手詰まりになりつつある。まさに耐性菌に対抗するコマがなくなってきた状況なのだ。

なぜ医師は抗生物質をすぐ処方するのか

 抵抗力の弱い人たちに耐性菌が感染すると、肺炎や腎盂炎を引き起こし、ときには生命に関わる危険性もある。また、高齢者や乳幼児でなくとも、体調の悪いときにこれらの病気を発症し、効く薬が見つからず治療が困難な状態に陥ることもある。

 にもかかわらず、医師が抗生物質を処方するのはなぜか。「私が思うに、一つは抗生物質を出すと患者が安心する。二つめは風邪症状を訴える患者の何万人に1人という低い確率で発症する肺炎など重篤な病気のリスクを回避する。三つめは何か経済的なインセンティブのため、でしょうか」。青木医師はそう説明する。

 では、私たちはどのように耐性菌から身を守ればよいのだろうか。

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