「オメガ3系脂肪酸」が“いい油”No.1といわれる理由
頭と体を若く保つ「オメガ3系脂肪酸」
渡辺満樹子=フリーライター/エディター
オメガ3系脂肪酸はどう体にいい?
油の中でも、現在「いい油No.1」といわれるのが、オメガ3系脂肪酸で、これには、魚油に多く含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)、亜麻仁(あまに)油やエゴマ油(シソ油)などの植物油に多く含まれるα-リノレン酸などがある。
オメガ3系のうち、EPAやDHAにはアレルギーを抑える作用、体内の脂肪の合成を抑える作用、認知症やうつを予防する作用などがあるとされている。亜麻仁油やエゴマ油に含まれるα-リノレン酸も体内でEPAやDHAに変化するが、一部しか変換されないため、魚油からとるのが効果的だ。
オメガ3系脂肪酸を効率よくとるには?
亜麻仁油やエゴマ油などのオメガ3系の植物油は加熱すると酸化しやすいので、短時間の調理やドレッシングなどに向く。また、オメガ6とオメガ3系は同じ酵素で分解されるため、競合する。オメガ6系をとりすぎるとオメガ3系が十分に代謝されないので、オメガ6系のとり過ぎは避けたい。オメガ6系はスナック菓子などの加工品に多く入っている。
「日本人の食事摂取基準(2010年版)」では、成人(18歳以上)の1日のオメガ3系脂肪酸の目標量は男性18~29歳が2.1g以上、30~49歳と70歳以上が2.2g以上、50~69歳が2.4g以上、女性18~49歳と70歳以上が1.8g以上、50~69歳以上が2.1g以上。いずれの世代も、EPA及びDHAで1日1g以上摂取することを推奨している。特にEPAやDHAが多く含まれるのはマグロ、サンマ、ウナギ、サバ、カツオなど。いずれも100g程度で十分な摂取が可能だ。
日経ヘルス2015年11月号 特別付録P16-20
日経BP社日経ヘルス編『サプリメント事典 第4版』(2011年3月発行)
