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今こそ受けよう、がん検診

自治体がん検診での死亡リスク低下割合は20~80%

がん検診受診率は50%に至らず

 田村 知子=フリーランスエディター

春と秋のどちらかに行われる職場の健康診断は欠かさず受けている人が多いでしょう。では、がん検診は? いまや国民の2人に1人ががんになるといわれています。国では毎年10月を「がん検診受診率50%達成に向けた集中キャンペーン月間」と定め、啓発活動を行っています。日経Goodayでは、4回にわたってがん検診について総ざらいしています。2回目もがん検診の基本について解説します。

がん検診を受けている人は30~40%程度

 日本ではがんによる死亡者を減少させるために、がんの年齢調整死亡率(加齢による死亡率の変化を補正したもの)を、2005年からの10年間で20%減少することを目標としています。現在、予測される年齢調整死亡率は、目標とした減少ペースに達していません。「その要因の1つには、がん検診の受診率の低さが挙げられます」(厚生労働省健康局 がん・疾病対策課 がん対策推進官の秋月玲子さん)。

 3年ごとに実施される国民生活基礎調査で無作為にがん検診の受診の有無を調べた受診率の推移は、以下の通りとなっています。

図1◎ 男女別がん検診受診率(40~69歳)の推移(国民生活基礎調査より)
男女別がん検診受診率
子宮がんは20~69歳が対象。乳がんと子宮がんについては、「過去2年のうちに検診を受けたか」について尋ねた。健康診断や人間ドック、通常の診察の中で受診したものも含む。3年ごとに行われる国民生活基礎調査で、各部位のがん検診を受けたかを比較した。
[画像のクリックで拡大表示]

 これを見ると、受診率は徐々に上がってきてはいるものの、 最も検診受診率が高い男性の肺がん検診でも50%に達していません。男性は職場の健康診断などでがん検診を受ける機会があるためか、胃がん検診と大腸がん検診でも40%以上の受診率がありますが、女性はいずれも30%台にとどまっています。

検診受診率の低さは「時間・手間・費用・知識」がハードルに

 検診受診率が低いのはなぜでしょうか。内閣府大臣官房政府広報室が発表した「平成26年11月がん対策に関する世論調査」では、「がん検診未受診の理由」(複数回答)で最も多いのは「受ける時間がないから(48%)」。次いで「費用がかかり経済的にも負担になるから(38.9%)」「がんであると分かるのが怖いから(37.7%)」「健康状態に自信があり、必要性を感じないから(33.1%)」といった回答が続きます(下表)。

がん検診を受けない理由
  • 受ける時間がないから(48%)
  • 費用がかかり経済的にも負担になるから(38.9%)
  • がんであると分かるのが怖いから(37.7%)
  • 健康状態に自信があり、必要性を感じないから(33.1%)
  • 心配なときはいつでも医療機関を受診できるから(20.5%)
  • 検査に伴う苦痛に不安があるから(20.1%)
  • うっかり受診するのを忘れてしまっているから(19.9%)
  • 受ける場所が不便だから(17.7%)
  • がん検診そのものを知らないから(11.9%)
  • がん検診を受けても、見落としがあると思っているから(9.9%)

(総数1799人、複数回答、「平成26年11月がん対策に関する世論調査」より)

 「がん検診未受診者には『時間』『手間』『コスト(費用)』『リテラシー(正しい知識・理解)』といったバリアがあるため、これを解消していくための啓発活動やアプローチ法を検討していかないといけません。例えば、その1つとして、受ける人のインセンティブとなるよう『2016年度税制改正要望事項』では、がん検診における所得控除制度の創設を要望しています」(秋月さん)

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