自治体と人間ドックのがん検診、何がどう違う?
自治体検診の目的は「死亡率低下」、人間ドックは「早期発見」
田村 知子=フリーランスエディター
国立がん研究センターがん予防・検診研究センターでは、がんをはじめとする生活習慣病と、日本人の生活習慣との因果関係について、過去20年間にわたって調査・研究を実施してきました。これを元に、どのような生活習慣が、がんなどの病気につながりやすいか、また逆に、病気につながるリスクを下げられるかを、簡便なチェックリストに答えることで知ることができる「がんリスクチェック」を2011年に開発し、ウェブサイト上で公開しています。
「がんリスクチェック」にはこれまで、「がんと循環器の病気リスクチェック」「大腸がんリスクチェック(男性のみ)」「脳卒中リスクチェック」がありましたが、2015年6月には、新たに「5つの健康習慣によるがんリスクチェック」が追加されました。
「5つの健康習慣によるがんリスクチェック」は、「喫煙」「飲酒」「肥満度(BMI)」「食習慣(塩分摂取)」「運動習慣」の5つの健康習慣をもとに、今後10年間にがんにかかるリスクを算出するものです(対象は45歳から74歳の男女)。
現在の生活習慣を続けた場合に、今後10年の間にがんにかかる危険度が分かるだけでなく、実践している健康習慣の数と組み合わせが変わると、どの程度リスクを下げられるかのシミュレーションもできます。
「自分ががんにかかるリスクや、生活習慣の改善によるリスクの低下度が目で見て確認できると、行動変容につながりやすくなります。ぜひ、こうしたツールを活用して、自身のがんのリスクチェックや生活習慣の見直しに役立ててください」(国立がん研究センター がん予防・検診研究センター予防研究部部長 の笹月静さん)
監修/笹月静さん(国立がん研究センター がん予防・検診研究センター 予防研究部部長、医学博士)
国立がん研究センター がん予防・検診研究センター 検診研究部部長

国立がん研究センター がん予防・検診研究センター 予防研究部長
