日経グッデイ

尾川とも子のボルダリング入門

ボルダリング初心者が覚えたい、ホールドの効果的な持ち方

第4回 ホールドの代表的な持ち方と名称

 大谷珠代=日経Gooday

前回の記事で、ボルダリングのルールと基本の動きをステップ1からステップ4に分けて紹介したが、今回はステップ5として「ホールドの持ち方」について解説する。

 ホールドの持ち方(あるいは形状)には名前がついている。それらを早い段階で覚えたほうが、ジムの人などに指導してもらう時に、「あそこをピンチ持ちして」「あのガバを狙って」などと言われた際も理解しやすく、上達しやすいので、代表的な持ち方やホールドの名称は早い段階で頭に入れよう。

※ステップ1~4をご覧になりたい方は下記の見出しをクリックしてください。
初心者必見!ボルダリングのルールと基本の動き

【ステップ5】ホールドの効果的な持ち方を覚える

(1)ガバ、ガバ持ち

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 ホールドの上から指全体を使ってガバっと持つ、ホールドの基本の持ち方。大きくえぐれていて持ちやすいホールドはこのような持ち方をする。


(2)アンダー

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 下からすくうようにして持つ方法。下側が大きくえぐれているホールド(アンダーホールド)ではこの持ち方をする。つかんだらホールドが腰の位置に来るように足の位置を上げ、腰を引き上げると体が安定しやすい(アンダーホールドを持ったときの姿勢については、2ページ目一番下の写真をご参照ください)。


(3)サイド

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 ホールドの上からでも下からでもなく横から持つ方法。指をかけるサイド(写真では右側)とは逆方向(写真の場合は左側)に体重をかけると安定しやすい。


(4)ポッケ、ポケット

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 指をポケットのように開いた穴に引っ掛けて持つ方法。


(5)ピンチ持ち

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 親指と残りの指でつまむようにして挟む持ち方。両側に指が引っかかり両サイドから挟めるタイプのホールドは、ピンチ持ちをする。ホールドの向きは縦の場合も横の場合もある。親指に力を入れると保持力が上がりやすい。


(6)カチ持ち

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 第一関節を反らせ、指先だけでつかむ方法。あまりえぐれておらず、第一関節しかかからないくらい薄いホールドはこの持ち方をする。親指を人差し指に重ねて持つほうが安定しやすいし力も入れやすい。ただそうすると指を傷めやすいので、ここぞという時のみに使ったほうがいい。また、親指と小指で間の3本の指を挟むような意識で力をいれると、安定しやすい。


(7)オープンハンド

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 大きくて全体的に丸みがあるホールドをスローパーといい、これを持つときはホールドの上にしっかり指をかけ、手のひら全体で包み込むようにしてわしづかみにする。 この持ち方をオープンハンドと呼ぶ。体重を真下にかけるように意識すると安定しやすい。


(8)タンデュ

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 幅が狭く、すべての指がかからないホールドを持つときは、2~3本の指で引っ掛けるようにして持つこの方法を使う。




アンダーホールドを持った場合は、このように体を引き上げる。

 以上、ホールドの主な持ち方を紹介した。ホールドの形状やえぐれている向きによって、様々な持ち方を試してみるとよいだろう。

 なお、前回記事のステップ4で、体のバランスが二等辺三角形になるようにと説明したが、ホールドの向きによっては二等辺三角形でないほうが安定する場合がある。

 例えば、サイド持ちをしたときは、指を引っ掛けている側とは反対側に体の重心を持って行ったほうが安定しやすい。またスローパーを持つ際は、体を全体的にホールドの下のほうに持っていかないと保持できない。逆に、アンダーの場合は、体を引き上げる必要がある。

 このようにホールドのタイプや持ち方により体の向きや重心は変わることを知っておきたい。


(写真:水野浩志)

(衣装協力:アディダスジャパン、ネルソンクライミングジャパン〔MAD ROCK Flash 2.0〕/ 撮影協力:ボルダリングジムHAGO〔大阪府吹田市〕)

尾川とも子(おがわ ともこ)さん
プロクライマー
尾川とも子(おがわ ともこ)さん 宇宙飛行士を目指して進学した早稲田大学理工学部応用物理学科卒業。在学時の2000年、国体山岳競技に誘われたことがきっかけで、クライマーの道に。2003年、2006年には「Asian X-games」で優勝。その後は自然界の岩場へのチャレンジに魅力を感じ、2008年4月に日本人女性初となる難度V12を達成。2009年秋から女性では前人未到の難度V14の岩に挑み始め、2012年10月に完登した。
ブログ:尾川とも子のはーとふるボルダリング