動くときは動的ムーブを「ダイアゴナル」で
次のホールドに向けて腕を伸ばす時は、体をホールドのある方向とは反対側に軽く揺すって勢いをつける。さらに、出す手と同じ側の足の膝を内側に向けて体を軽くひねり、壁と体の間のスペースを少ない状態のまま次のホールドに腕を伸ばす。この連載の第9回で紹介した、“動的ムーブを「ダイアゴナル」で”という動きと同じだ。
例えば、右方向に次のホールドのめどをつけたら、いったん左方向へ体を揺すり、次に振り子のように、右膝を内側にひねりながら体を右へ振る。その勢いにのせて右手を上げ、右上にあるホールドを取るのだ。
右膝を内側にひねる時には、壁と体の間のスペースを少なくする感じで。この形を「傾斜を殺す」という。ホールドを持つ左手は縮ませず、伸びているままで。
初心者の場合、基本的にはこの動きで、右手、左手、右手、左手と登っていけばいい。足の動きは基本通り。つまり、手を動かしたら、次は体のバランスが二等辺三角形になるように足を動かして肩幅に開いて置き、そのうえで、次に腕を出す方の膝を内側にひねりながら次のホールドに腕を伸ばすのだ。これを繰り返すことで、次第に前傾壁に慣れてくるはずだ。
- 次ページ
- さらに強い傾斜の場合は?