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尾川とも子のボルダリング入門

ボルダリング攻略の要はオブザベーションにあり

第10回 ボルダリング上達のために覚えたいオブザベーションのコツ

 鶴見佳子=フリーライター

ホールドの記憶よりムーブの仮説を

 ボルダリングジムに何度か足を運んでいると、ジムのスタッフが壁を指しながら、「まずこのホールド、次にこれ、その次にこれ…の順で登ってみて」などと、その場でルートを作って登るよう指示する場面に出くわすことがないだろうか。

 壁一面にたくさんのホールドが散らばっている中で、1番目が何色の何番、2番目が何色の何番…と思っても、なかなか覚えられるものでもないが、「色や番号で覚えるのではなく、指示されたルートをオブザベーションしながら、ムーブで覚える癖をつけましょう。大体は順当な動きですが、ときどき、クロスやとばしなどが入ってくるので、ここでクロスする、ここでとばし、ここでアンダーをとる…といったように覚えると楽ですよ」と尾川さん。

 尾川さんは選手時代、コーチに「まずこれ、次にこれ、そしてこれ…」と100ものホールドを指示されて壁を登る練習をしたこともあるそうだが、「さすがに一度に100のホールドは覚えきれません。そんなときは、動きをイメージしてルートを頭に入れました」と言う。もちろん、アマチュアが一朝一夕でできることではないが、登るたびにオブザベーションを繰り返せば、徐々に身に付いていくはずだ。

[画像のクリックで拡大表示]

 オブザベーションとは、自分がどう動いてゴールまで到達するか、ホールドやムーブをトータルで考えながら組み立てる作業だといえる。

 「壁の上でいかにスムーズに動くか、いかに迷う時間をなくすかがボルダリングでは最も大切です。スムーズに動いていたら無駄な時間がなくなり、体力を節約できます。そのためにも、登る前のオブザベーションが鍵なんです」と尾川さんは強調する。

 登る前にはオブザベーション、登った後にはその振り返り…。それを繰り返してオブザベーションの精度を上げていこう。


(写真:水野浩志)

(衣装協力:アディダスジャパン、ネルソンクライミングジャパン〔MAD ROCK Flash 2.0〕/ 撮影協力:ボルダリングジムHAGO〔大阪府吹田市〕)

■尾川とも子のボルダリング入門
第1回 東京五輪で注目のボルダリング、運動オンチの40代でも楽しめる?
第2回 ボルダリングを安全に楽しむ!お薦め準備体操とNG行動
第3回 初心者必見!ボルダリングのルールと基本の動き
第4回 ボルダリング初心者が覚えたい、ホールドの効果的な持ち方
第5回 ボルダリングシューズ、初心者は「痛くない」を重視して!
第6回 ボルダリングで次のホールドに手が届かないときの対処法
第7回 足を乗せにくいホールドの攻略法

尾川とも子(おがわ ともこ)さん
プロクライマー
尾川とも子(おがわ ともこ)さん 宇宙飛行士を目指して進学した早稲田大学理工学部応用物理学科卒業。在学時の2000年、国体山岳競技に誘われたことがきっかけで、クライマーの道に。2003年、2006年には「Asian X-games」で優勝。その後は自然界の岩場へのチャレンジに魅力を感じ、2008年4月に日本人女性初となる難度V12を達成。2009年秋から女性では前人未到の難度V14の岩に挑み始め、2012年10月に完登した。
ブログ:尾川とも子のはーとふるボルダリング

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