「アンダーホールド」のトリックに注意!
ちなみに、ルートの途中に下の写真のCのような「アンダー」のホールドがある場合、オブザベーションの際に、そのトリックに引っかからないように注意したい。
ご存じの通り、アンダーホールドは下から持って、体を持ち上げる動きをする。体を持ち上げる分、自分がイメージしている以上に遠くのホールドに手が届くのが特徴だ。上の写真で言うとAとCは、それだけ見ているとかなり離れているように見えるが、Cがアンダーなので下の写真のように楽々届く距離にある。
自分の体のリーチが壁のパネル何枚分かなどをあらかじめ頭に入れておき、ルート上にアンダーホールドがある場合は、リーチの長さという、アンダーホールドの強みを最大限に生かすルートを検討するのもまた、オブザベーションのポイントだ。
もう一つアンダーについて頭に入れておきたいのは、アンダーは、写真のように、いったん高い位置にあるホールドをつかんでから下方にあるアンダーをつかむほうが楽なことが多いということ。
登っている途中で目の前に現れるとつかみたくなるが、自分の体より上にあるアンダーはつかんでも上に上がるのには使えなかったり、使うと余計に難しくなってしまう場合が多いので、「後から使おう」と考えるようにしたほうがうまくいくことが多い。
いずれにしても、「逆算」してオブザベーションを考えてみることで、無理のない、より的確なルートを検証できるので、ぜひトライしてほしい。
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