【持ち替え】~2番目のホールドが両手で持てそうな形の場合の有力候補
前ページの写真のような三つ並びの場合、2番目のホールドが持ちやすそうな形をしている点に注目してみよう。指をしっかりかけられるだけの窪みがあり、両手で持てそうなだけの幅もある。
こんなときは、1つ目のホールドを左手で持ったまま、まず右手で2番目のホールドを取る(写真左)。体が二等辺三角形を維持できるよう足を動かし、次いで左手も2番目のホールドに移動して添える(中央)。その後、右手で3番目のホールドに向かう(右)。順に手を送り込み、持ち替えていくのだ。
これが「持ち替え」という技だ。この「持ち替え」は、次のホールドがある程度大きくて、持ちやすい形であることが必須条件となる。
【クロス】~2番目のホールドを両手で持ちにくそうな場合の有力候補
上の写真の緑色のホールドのように、2番目のホールドの表面がつるつる滑りやすく、片方の手の指しか引っかけられそうにない場合は、両手を使う「持ち替え」はできない。
そんな場合は、1番目のホールドを右手で持ったまま、左手で2番目のホールドを取り(下の写真中央)、そのうえで、3番目のホールドを右手でつかもう(右)。途中で右手と左手を体の前でクロスさせることから、この動きを「クロス」と呼ぶ。
【とばし】~2番目のホールドが小さくてしっかり持てそうにないときの有力候補
2番目のホールドが小さくて指の先を引っかけるほどの浅いポケットしかない場合は、「持ち替え」はもちろん「クロス」もやりにくそうだと推量できる。
そんなときは、3段飛びのように2番目のホールドは右手で引っかけるだけにし(下の写真中央)、すぐに手を離して勢いをつけて3番目に飛び、同じ右手で取る(右)。これが「とばし」という技だ。
ただし、2番目のホールドから3番目への距離が遠く離れていれば、同じ手では届かないので、「とばし」ではなく、「クロス」を選択する。
また、2番目のホールドが縦長のいわゆる「ピンチ」や「サイド」と呼ばれる形状をしている場合も(ホールドの形状についてはこちらをご覧ください)、「クロス」はやりにくいため「とばし」が有力候補となる。
このように「持ち替え」「クロス」「とばし」3つのどれを選ぶかは、先にあるホールドの形である程度判断がつく。とはいえ、ホールドの位置によっても変わってくるため、慣れるまでは試行錯誤を繰り返すしかないが、3つあるパターンのどれが有力候補か、その次にトライするとしたらどれかといったことを絞り込めるようになれば、それだけ登る時間を短縮できて体力も浪費せずに済む。
それができるようになるためにも、地上でオブザベーションをしているときに、どの動きでホールドを取るかをシミュレーションしたうえで、実際にオブザベーション通り攻略できるかを試してみよう。
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