豪太さん、疲れない山登りのコツを教えてください!
第2回 ゆっくり歩いてたまに休む「カメ戦法」なら誰でも山頂に!
高島三幸=フリーライター
目標心拍数の目安を知っておこう
豪太さん 登山で目標にしたい心拍数(ターゲット心拍数)は、「180-自分の年齢」で計算できます(マフェトンの公式)。
ただ、これは目安なので、体力に自信がない人、病み上がりの人などは、ターゲット心拍数から「-5~-10」の緩めのペースに設定し、普段から何らかのトレーニングを積んでいる人は「+5」で計算してみてください。40歳の人なら、1分間の心拍数130~145が目安になります。私は、上りのときは130くらいを目安にしています。
とはいえ、初心者がいきなり心拍計を用意するのは大変です。もっと手軽に心拍数を計るには、私が実践している「6秒計算法」がお勧めです。

それはどういったものですか?
豪太さん 計測方法と計算式はいたって簡単。首の動脈に人差し指と中指を当て、時計を見ながら6秒間の心拍数をカウントするんです。それを10倍するだけで、1分間の脈拍が分かります。
なるほど! それなら私にも簡単にできそうです。
豪太さん その人の体格や筋肉の違いによって、ベストなピッチやストライドも変わるので、「これが理想の登り方」と一概には言うことはできません。同じ歩幅、ストライドで登れる状態が維持できるようなスピードを意識することが、登山初心者には一番大事です。
ラクに登りたかったら「ウサギ戦法」より「カメ戦法」
山登りでは、途中で休んでもいいのでしょうか?
豪太さん もちろん。特に登り始めは、体が温まってきて汗も出てきますので、30分で一度休憩して、衣服を調整するといいでしょう。その後は、50分登って10分休む、というペースを目安にしましょう。
登山はスピードを競う競技ではないので、「ウサギとカメの法則」でいいんです。速いスピードで歩いて30分ごとに休む「ウサギ戦法」か、ゆっくり会話しながら歩いて50分ごとに休む「カメ戦法」のどちらが疲れにくいかといったら、後者。「あれ、もう50分経ったの?」と時間の経過を短く感じ、結果的にラクに登ることができます。マイペースな性格の方ほど、登山との相性はいいでしょう。ただ、猛暑など気候の変化に応じて、休憩を増やし、頻繁に水分補給するなどの対応は必要になります。
休憩するときは、腰を下ろしていいんですか。座らない方がいい、という説も聞いたことがあるのですが…。
豪太さん 腰を下ろしてしまって大丈夫ですよ。できればリュックサックも下ろしてください。長時間ザックを背負っていると、背中や肩の周辺の血流が悪くなりますので、背伸びをしたり、深呼吸をしたり、肩を回したりなどの体操を取り入れるといいですね。
- 初心者はできるだけ経験者と一緒に登る
- 疲れにくいのはおしゃべりをしながら登れるペース。特に最初の30分を飛ばしすぎないことが大事
- 心拍数の目安は「180-年齢」(体力に自信がない人はさらに5~10低く)
- 休憩は50分に1回を目安に
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