救命救急医に聞く! 正しい診断を導くための話し方・伝え方のポイント(後編)
ニーズを伝えれば、満足度が上がる
梅方久仁子=ライター
文書にまとめると好印象
ニーズという考え方は、目からウロコです。紙に書くと、自分の考えを整理しやすいということもありますね。
沖山 そうですね。症状についても、「いつからこういう症状があります、このときからこう変わりました」と書いてみると、分かりやすく説明できます。
患者さんの中には、外来で受診するときに自分の症状や希望をワードなどの文書にして、印刷して持って来られる方がいます。エクセルで血圧のグラフを作って来る人なんかもいます。
こういう患者さんは、医師の間ではやはり印象がよいです。まず、主体的に自分の健康管理に関与しようとする姿勢が素晴らしいと感じます。それから、話すよりも読む方が速いので、多くの情報を短時間で得られます。直接の会話でないと得られない情報もありますが、実際問題として、とても助かります。
なるほど。話が少しそれますが、逆に医師の心証を悪くするようなことはありますか。以前、「この間テレビで見たこの病気ではないですか」と聞いたら、なんとなく医師の態度が変わったような気がします。
沖山 「テレビ」という言葉にいい印象を持たない医師はそれなりにいると思います。テレビは視聴率重視ですから、どうしても誇張した表現になりがちです。いくつか説がある中の一つだけを取り上げたりするのは、フェアではないと思います。
これは賛否両論あるかもしれないですが、テレビで見たことがどうしても気になるときには「知人にこんな病気の人がいて、自分の症状と似ている気がしますが、どうですか」のように、少し話を変えて聞いてみてはどうでしょう。

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