筋力・免疫力アップには「インターバル速歩+牛乳」
ダイエット効果の高いウォーキング・タイムは?
氏家裕子=ライター、稲川哲浩=日経Gooday
インターバル速歩後の牛乳摂取で筋力向上率は倍以上に
ややきついと感じるくらいの3分間の早歩きと、3分間のゆっくり歩きを交互に繰り返すインターバル速歩を継続することで、コンペ参加者の皆さんが「脚力強化」「快眠」「体調改善」などの効果を実感されています。脚力の向上は脚の筋肉量の増加がもたらすものですが、本企画の2回目記事「インターバル速歩で肥満解消、筋力アップ、血圧低下」では、インターバル速歩の後でコップ1杯の牛乳を飲むと筋肉量が増えやすいとお伝えしました。
では、牛乳を飲むのと飲まないのとでは、どれほどの違いがあるのでしょうか?
インターバル速歩を考案した信州大学の能勢教授は、インターバル速歩を5カ月間実施して筋力がある程度高まった中高年女性を対象に、インターバル速歩後30分以内にコップ1杯の牛乳を飲むグループと飲まないグループに分けて、さらに5カ月間のインターバル速歩を行う実験を実施しました。すると、牛乳を飲まないグループの大腿筋の筋力向上率が約7%だったのに対して、牛乳を飲んだグループは筋力が約16%向上したのです。
「ややきついと感じる運動の直後は、傷んだ筋肉組織を修復、強化するために、体がタンパク質と糖質を最も欲しているタイミング。そこで乳製品を摂取することによって、筋肉の修復、強化が効率的に進んだ結果と見ています」(能勢教授)。
「インターバル速歩+牛乳」は寒さ、暑さにも強くなる
筋肉量が増えれば、寒さに強く、風邪をひきにくい体質になります。「筋肉量が増えると、基礎代謝量が上昇するので、体温が上がって、冬の寒さを感じにくくなります」と能勢教授。さらに、体温の上昇は風邪のウイルスの増殖を抑えるなど、免疫機能を向上させる働きがあることも分かっています。
また、牛乳には、血液量を増やす効果があります。牛乳に含まれるタンパク質が、体内の水を血液中に集める働きを持つアルブミンという物質を作り、その結果として血液量が増えるのです。インターバル速歩後に牛乳を飲むと、血液量が増えることにより、皮膚の血管が拡張しやすくなり、汗をかきやすい体になるそうです。「20代は1週間ほど、60代以上は8週間ほど“インターバル速歩+牛乳”を続けると、20代、60代それぞれにおいて、皮膚血管の拡張のしやすさが54%、80%、汗のかきやすさが40%、18%向上するという実験結果があります」(能勢教授)。こうした効果によって暑さに強い体になるのです。
健康面に対するインターバル速歩の効果についてはこれまでも度々触れてきましたが、その効果をさらにアップさせるためにも、「速歩+牛乳」をぜひ実践してみてください。
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