安眠体質に変わる!体内リズムを整える10のコツ
夏の快眠術 3
塚越小枝子=フリーライター
睡眠環境コーディネーターの中野祐三子さんに聞いた、蒸し暑い夏の夜の悩みを解消するテクニック。第3弾は睡眠・覚醒のメカニズムを知って体内時計を整える方法について。体をケアすることで、熱帯夜に負けない“安眠体質”を手に入れよう。
睡眠ホルモン「メラトニン」分泌は光によって決まる

私たちの睡眠・覚醒のリズムは “体内時計”によってコントロールされている。体内時計は約25時間周期であり、24時間周期の地球のリズムとは1時間のズレがあるのだが、朝、太陽の光を浴びることで、このズレをリセットしている。
この体内時計に深くかかわっているのが、“睡眠ホルモン”と呼ばれるメラトニンだ。夜、暗くなるとメラトニンの分泌量が増え、眠くなる。朝日を浴びることで、目から光の情報が脳の神経細胞に届くと、メラトニンの分泌をストップするように指令が出され、目が覚める。日中は分泌が抑制されているが、14~16時間後に再び分泌され、眠りの準備をする、というリズムがくり返されているのだ。
そして、この体内時計に合わせて、血圧やホルモン分泌などのリズムも整い、自律神経の活動にしたがって体温も上下している(2ページ目の体温グラフを参照)。
メラトニンは、加齢により分泌が減ることも明らかになっていて、年をとると朝早く目覚めたり、若い頃よりも睡眠時間が減ったりするのは、メラトニンの減少により体内時計の調節機能が弱まるためだとも考えられている。また、夜更かしなど不規則な生活習慣によってもホルモン分泌は乱れ、睡眠の質の低下につながる。
夜、メラトニンが多く分泌されるほど、寝つきが良くなり、睡眠の質も良くなるという。それを実現するためには夜だけ気をつけるのではなく、朝は明るい光を脳に届けてメラトニンの分泌を減らすなど、1日を通じて規則正しいリズムを刻むことが大切だ。
「朝は明るさを意識し、夜は暗さを意識した生活で体のリズムを整え、睡眠と覚醒のメリハリをつけることが大切です」と中野さん。次のような、ホルモンや体温の“リズム”を意識した生活で快眠につなげよう。
