正解は、(1)~(4)のすべて です。

鼻の粘膜には、「容積血管」と呼ばれる血液を貯える血管網があります。これが膨らんだり縮まったりして粘膜の厚みを変えることで、吸い込む空気の量を調節し、肺の内部の環境を一定に保っています。炎症が起こると、血管の収縮力が弱まり血液が溜まりやすくなって、粘膜が腫れる結果、鼻づまりを引き起こします。鼻腔が小さい小児は、大人よりも鼻づまりを起こしやすいことが知られています。
鼻づまりの原因となる「粘膜の腫れ」は、特に睡眠中に悪化します。すると、「脳は疲労をためたままの状態となり、日中に眠気がでたり、仕事や勉強に集中できなくなったり、イライラしやすくなったりします」と、鼻のクリニック東京(東京都中央区)の院長で鼻治療のスペシャリストである黄川田(きかわだ)徹医師は話します。
また、鼻から呼吸できず「口呼吸」となることで、様々な弊害が起こってきます。弊害の一つは、顔面骨の発育障害です。顔面骨の発育する時期に口呼吸をしていると、顎骨(がっこつ)の発育が障害され、歯並びが悪くなります。そして、開口によりのどの筋肉の緊張が緩んで、のどが狭くなってしまいます。その結果、のどに空気が流れやすくなるよう首を突き出して呼吸をするようになり、胸郭や呼吸筋の発育が悪くなって、いわゆる鳩胸になってしまいます。
さらに、睡眠中に仰向けになると、舌が落ち込んでさらにのどが狭くなります。そのため、いびきや呼吸障害、さらには睡眠中に呼吸が止まってしまう睡眠時無呼吸症候群となるリスクも高まるそうです。たかが鼻づまりと放置せず、きちんと対処したいですね。
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