上手に活用したいたんぱく源は、牛乳などの乳製品
たんぱく源として、上手に活用したいのが、牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品です。乳製品はプリン体が少ないことに加え(牛乳は100g当たり0.0mg*2)、尿酸値を低下させる効果が期待できます。高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版の改訂委員長を務めた鳥取大学大学院 医学系研究科 再生医療学分野 教授の久留一郎さんは、「(乳製品に含まれる)カゼインという成分が尿酸の排泄を促進すると考えられます」と話します。
ニュージーランドの研究では、牛乳を飲んだ後、60分後、120分後、180分後の尿酸値が下がったという報告があるほか(Ann Rheum Dis.2010;69:1677-1682.)、尿酸排泄への影響を調べた国内の研究では、牛乳摂取後に尿酸排泄率が高まったことが確認されています(Int J Clin Pharmacol Ther. 2011;49(6):366-70.)。
また、米国の4万7150人を対象にしたコホート研究からは、乳製品摂取量が多いグループは少ないグループより、痛風発症リスクが4割低いという報告も出ています(下図)。
このほか、プリン体が少ないたんぱく源の1つに卵(鶏卵)があります。鶏卵はコレステロールが多いことが知られていますが、実はプリン体は非常に少ないのです(100g当たり0.0mg)。
「魚卵はプリン体が多い」という印象を持つ人も少なくないと思いますが、実はそれほど多くはありません。100g中の量はタラコが120.7mgとやや多いですが、カズノコは21.9mg、イクラはわずか3.7mgです。また、魚卵は塩分が多いこともあり、毎日たくさん食べるものでもありません。このため、プリン体という意味では過度に気にする必要はないでしょう。
尿酸対策としては、プリン体が多い食材に注意するだけでなく、飲酒量を抑える、体重を減らす(摂取カロリーを減らす)といった対策も欠かせません。野菜、海藻、キノコ類なども意識的にとり、バランスの良い食事を心掛けましょう。これらは尿酸に限らず、他の生活習慣病の予防でも繰り返し指摘されていることです。単品の丼物などより、小鉢がついた定食にしたり、居酒屋でのつまみではもずくやめかぶなどの海藻類を追加するといったことを日々実践していきましょう。関連記事
