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Goodayクイズ

花粉症を根本的に治す「舌下免疫療法」、始めるならいつがベスト?

クイズで学ぶ「舌下免疫療法」

 日経Gooday編集部

 正解(間違っている説明)は、(1)スギ花粉のシーズンに始めるです(正しくは、「スギ花粉のシーズンには治療を始めてはいけない」)。

既に10万人以上の患者が取り組む舌下免疫療法

 春先になると鼻水やくしゃみ、目のかゆみなどが出現するスギ花粉症の患者は、年々増加しています。つらい症状を和らげる治療薬の種類も増え、眠気が出にくい飲み薬や、皮膚に貼るタイプの薬、コンタクトレンズを装着したまま使える点眼薬など、新しい薬が次々に登場しています。ただし、いずれも出てしまった症状を和らげる「対症療法」にすぎず、症状そのものを出ないようにすることはできません。

 近年、花粉症のつらい症状を元から絶つ治療として広がっているのが、舌下免疫療法です。舌下免疫療法は、アレルギー反応を引き起こすスギ花粉の「抗原」を、少量ずつ体内に入れることで体を慣れさせ、アレルギー反応が起きないようにする治療です。1日1回、薬を舌の下に乗せてしばらく保持してから飲み込む方法なので、舌下免疫療法と呼ばれます。

 舌下免疫療法が保険適用になった2014年から現在までに、既に10万人以上のスギ花粉症患者がこの治療に取り組んでいます。当初からこの治療法を積極的に取り入れてきた、ながくら耳鼻咽喉科アレルギークリニック(東京都品川区)院長の永倉仁史氏は、同院で舌下免疫療法を受けている患者にアンケートを行い、治療の効果を確認しています。その結果、治療を受けた9割以上の人が、治療効果が『非常に良い』『良い』と答えており、治療の1年目からかなり効果があることが明らかになっています(図1)。「年によって花粉の飛散量も違うので多少の増減はありますが、それでも9割以上を常にキープしており、舌下免疫療法の効果は非常に高いと言っていいでしょう」(永倉氏)

図1 舌下免疫療法を受けている患者の9割以上が、治療効果は「非常に良い」「良い」と回答
スギ花粉の抗原エキス「シダトレン」による舌下免疫療法の治療効果が「非常に良い」または「良い」と答えた人は、1年目の時点で90%に上り、3年目には96%にまで増加した。回答者は1年目31人、2年目58人、3年目46人。(データ提供:永倉氏)
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効く人にとっては根本的な治療、開始はオフシーズンに

 舌下免疫療法の最大のメリットは、症状が軽くなり、シーズン中に使う薬を減らせることです。「薬を減らすことができた、全く使わずに済んだ、夜ぐっすり眠れるようになった、マスクを外して外出できたなど、QOL(生活の質)が改善したといううれしい声が寄せられています。10%ほど効きにくい人もいますが、効く人にとっては根本的な治療だと考えています」(永倉氏)。

 治療の開始時期は、花粉症のオフシーズン。スギ花粉の飛散が完全におさまった6月ごろがベストですが、それ以降のタイミングで開始することも可能です。ただし、スギ花粉が飛び始めると、抗原に対する過敏性が高まってしまうため、治療を開始してはいけないとされています。

 治療は1日1回、少量から開始し、徐々に量を増やしていきます。少量とはいえ抗原を体内に入れるため、アレルギー反応で副作用が起こることもありますが、多くは口の中のかゆみや腫れなどにとどまります。治療の効果は1年目から現れますが、3~5年は継続することが推奨されています。

 舌下免疫療法に使われるスギ花粉の抗原は、当初は「シダトレン」という液剤だけでしたが、2018年に、同じ成分を錠剤にした「シダキュア」が発売され、現在はこちらが主流になっています。シダキュアはシダトレンの2.5倍の抗原を含むため、効果も強く表れます。舌の下で保持する時間も2分から1分に短縮され、年齢制限がないため、小児でも使えます(目安は5歳以上)。「子どもの場合は、早く免疫療法をスタートすれば、将来、喘息などのアレルギー性疾患を起こすリスクを減らせることも分かってきました」(永倉氏)。

 シダキュアは1カ月分の長期処方が可能で、薬剤費は3割負担の場合で1300円程度。これに初診料や再診料、検査費用などが加わります。スギ花粉のオフシーズンも毎日地道に続け、月に1回通院しなければなりませんが、毎年、花粉症のつらい症状に悩まされている人、生活に支障を感じている人は、一度検討してみるとよいかもしれません。

この記事は、オフシーズンこそ好機! つらい花粉症から解放される「舌下免疫療法」(田中美香=医療ジャーナリスト)を基に作成しました。
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