藤田教授は、「筋肉の合成は、たんぱく質を摂取し、消化し、アミノ酸の血中濃度が上がることによってスタートします」と説明します。
下図のように、食事でたんぱく質を取ると、筋肉では筋たんぱくの合成が進みます。しかし、食後に時間がたつと、筋肉は合成から一転して分解モードになります。
こうして筋肉は1日の中で分解と合成を繰り返していますが、「たんぱく質の摂取量が十分でないと、アミノ酸の血中濃度が上がらず、筋肉合成のスイッチがオンになりません。それどころか、たんぱく質不足によって筋肉の分解が始まってしまうのです」(藤田教授)
下図を見て分かるように、1日の中で、最も筋肉の分解モードが長く持続しているのが朝です。「だからこそ朝には十分な量のたんぱく質を意識的に摂取し、合成スイッチを入れる必要があります」(藤田教授)
1食あたり20gのたんぱく質は「手のひら」で量る
筋肉に合成スイッチを入れる目安は、1食あたり20gのたんぱく質。この量を取るにはどんな食材をどのくらい食べればいいでしょう。詳しくは「筋肉減らさない食事のツボは? 朝のたんぱく質、手のひらサイズの肉魚で」の3ページ目の図を参照してください。例として、調理されたりカットされたりしている肉や魚の場合は、手のひらと同じサイズを目安にしましょう。
「肉や魚の場合、たんぱく質の含有量は、総重量の20%ほどになる。手のひらと同じサイズなら重量は約100g、含まれるたんぱく質は20gほどになる」(藤田教授)。いつもの朝食に、乳製品や大豆製品をプラス。サラダにツナやサバ缶を加えたり、間食に高たんぱくのギリシャヨーグルトやチーズ、プロテインバーなどを取ったりするのもいいでしょう。
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