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Goodayクイズ

ぎっくり腰への対処法 絶対安静? それとも体を動かすのがいい?

クイズで学ぶ「ぎっくり腰」

 日経Gooday編集部

 正解は、(2)痛みがあってもできる範囲で体を動かす です。

 ただし、明らかにぎっくり腰の場合に、あくまでも「できる範囲で」です。後述するように「こうすると楽になる」という姿勢がない場合や、一定時間うずく感じが続く場合は、別の病気の可能性もあるため、動かさず医療機関を受診しましょう。

ぎっくり腰とは何か?

 ぎっくり腰は、重い荷物を無防備な状態で持ち上げようとしたり、床に落としたものを拾おうとしたり、くしゃみやせきをした拍子に起こることが多い急性の腰痛です。

 猫背や前かがみの姿勢は、腰には大きな負担となります。東京大学医学部附属病院特任教授・松平浩さんは、「無防備に前にかがむだけで、腰椎の4番目(L4)と5番目(L5)の間にある椎間板(L4/5椎間板)には、200kgの物がのっかるくらいの負荷(200kg重)がかかります」と言います。

 その状態で物を持ち上げたり、くしゃみで瞬間的に前かがみになると、腰にはさらに負担がかかり、椎間板の髄核が大きくずれて線維輪を傷つけてしまうことがあります。それが典型的なぎっくり腰です。

「こうすると楽」という姿勢があるなら、あわてて受診せずともOK

 ぎっくり腰は痛みが激しいため、特に初めての時はパニックになりがちです。発生直後は気が動転して動けなくなることもあるでしょうが、落ち着けば意外と動ける場合も少なからずあります。ですのでぎっくり腰になった時は、まずは気持ちを落ち着かせ、平常心に戻ってきたら、できる範囲で後述する「ぎっくり腰体操」などをやってみましょう。「こうした体操を行うと痛みをやりすごすことができたり、回復が早まったりする可能性があります」(松平さん)

 そう聞くと、ぎっくり腰経験者の中には、「あの痛みの最中に体操だって? 無理無理。それよりも病院に行ったほうがいいのではないか」と思う方も多いかもしれません。しかし、松平さんは、「例えば、じっと動かないでいると痛くないなど、『こうすると楽だ』という姿勢がはっきりある場合は、あわてて病院に行くことはありません」と言います。

 逆に、楽になる姿勢がなく、うずく時間が一定時間続く場合は、骨折やがんの転移、感染性脊椎炎など、別の病気による痛みと考えられるため、医療機関の受診をしたほうがいいそうです。

 「ぎっくり腰の痛みは、例えば椎間板の髄核が後ろにずれた時にできた傷や炎症が原因となります。『ぎっくり腰体操』はこれを元に戻すもので、動けなくなった時に、多少でも動けるようになる裏技と思ってください。背中からお尻、脚の筋肉が緊張しないように、できるだけリラックスして行うのがコツです」(松平さん)

動いたほうが痛みが長引かず、ぎっくり腰の再発率が低い

 松平さんによると、ぎっくり腰の痛みは、放置すると悪化するとか、体にとって良くないことが起こるなどの可能性は基本的にはないため、動かしても問題はありません。むしろ、腰をかばって動かさずにいると、腰や背中の筋肉が緊張して血流が悪くなり、疲労物質がたまって発痛物質が増えてしまいます。

 実際、ぎっくり腰の後に「安静にした場合」と、「できる範囲で動いた場合」の勤労者を比べた研究では、できる範囲で動いたほうが痛みが長引かず、ぎっくり腰の再発率が低かったそうです。

[画像のクリックで拡大表示]
ぎっくり腰で医療機関を受診した勤労者のうち、「できるだけ安静にするよう指導された人」68人と「痛みの範囲内で活動してよいと言われた人」32人について、両者の腰痛の持続状況や再発率を調べた。出典:Matsudaira K, et al. Ind Health. 2011;49:203-208.

 現在、西欧諸国や日本の腰痛の診療ガイドライン(治療指針)では、ぎっくり腰などの心配な病気のない急性の腰痛には安静が推奨されていないそうです。

 「腰の痛みが激しい場合、当日、翌日くらいは仕事を休んでも仕方がないですが、痛み止めの薬を飲みながら、家事などでできそうなことがあれば、普段通りにやりましょう。寝たきりで安静にする必要はありません。海外のガイドラインでは、ぎっくり腰などの心配な病気のない一般的な急性の腰痛の場合、安静にして寝ているのは長くて2日までとしているものが多いと報告されています」(松平さん)

 ちなみに、痛み止めなどの薬を飲むことに抵抗を感じる人も多いようですが、「薬を飲んだほうが早く日常生活に戻れるし、痛みからくる不安や恐れなどのストレスを感じにくくなり、痛みをやり過ごすことができる。また、薬を上手に飲むことで、腰痛の慢性化リスクを下げることができます」と松平さんは言います(詳しくは「 ぎっくり腰で痛い! 痛み止め・コルセット・湿布は効く?」をご覧ください)

 では最後に、松平さんがお薦めする「ぎっくり腰体操」を紹介します。ぎっくり腰になったら、まずは気持ちを落ち着かせ、できる範囲でこうした体操をしてみましょう。

腰痛
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