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命を奪う急性大動脈解離、多い季節や年代は?

クイズで学ぶ「急性大動脈解離」

 日経Gooday編集部

 正解は、(2)(3)です。

胸や背中にそれまでに経験がないほどの激痛が…

 声優の鶴ひろみさん、俳優の中嶋しゅうさんなど、ここ数年で急性大動脈解離で亡くなった著名人を記憶している人も多いことでしょう。鶴さんは運転中、中嶋さんは舞台出演中に突然意識を失って倒れ、帰らぬ人となりました。この急性大動脈解離とは、どのような病気なのでしょうか。

 大動脈は、心臓から血液を全身に送り出す、体の内で最も太い血管です。大動脈の壁は内膜・中膜・外膜の3層構造になっていますが、このどこかに傷ができ、そこから血液が中膜部分を裂くようにして流れ込んだ状態を、大動脈解離といいます。解離が起こると、大動脈の壁が外膜だけで維持されている状態になり、そこに血圧がかかると、外膜が破れて出血することがあるのです。

図1 大動脈は心臓から血液を送り出す一番太い血管
上行大動脈で解離が起きると死亡率が非常に高い。(c)Alex Antonio Ramirez Arias -123RF(図の左側)
[画像のクリックで拡大表示]

 解離が始まるとほとんどの人が、胸や背中にそれまでに経験がないほどの激痛を感じます。解離部分が広がるにつれて、痛む範囲が、たとえば胸から背中へ、さらに腰へと移動することもあります。

 日本で行われた調査では、急性大動脈解離で死亡した患者の61%が病院到着前に死亡していました。また、87%は、上行大動脈からの出血によって心臓の動きが妨げられた(心タンポナーデ)ために亡くなっていました。

7~9割に高血圧、70代がピークで冬場に多い

 大動脈解離がなぜ、どのようにして発生するのかについては、いまだ不明な点が少なくありません。危険因子と考えられているのは高血圧で、急性大動脈解離を起こした人の70~90%に高血圧の持病があるといわれています。このほか、血管の病気、妊娠、外傷(交通事故で胸を強打した場合など)、先天的な大動脈弁と大動脈壁の異常なども危険因子と考えられています。

 日本の大動脈解離の年間発生率は10万人あたり3人前後。発症年齢のピークは70代ですが、40代や50代で発症することもまれではありません。中年期には男性が女性の2~3倍ですが、高齢になるほど男女の差は縮まります。季節でいうと、冬場に多く、夏場に少ない傾向があります。時間帯では日中、特に6~12時に多いと報告されています。これからの季節、血圧の高い人は、血圧管理に十分に気を付けていきましょう。

参考文献
・急性大動脈解離の国際多施設共同登録試験(IRAD)の報告. Peter G. Hagan, et al. The International Registry of Acute Aortic Dissection (IRAD): New Insights Into an Old Disease. JAMA. 2000;283(7):897-903.
・田辺正樹, 中野赳. “疫学”. 特集:大動脈解離の論点―大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン(2006年)を踏まえて. 脈管学. 2008;48:13-18.
・日本循環器学会「大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン(2011 年改訂版)」
この記事は、突然発生する急性大動脈解離、救命は時間との闘い(大西淳子=医学ジャーナリスト)を基に作成しました。
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