コレステロールは7~8割が体内で作られますが、それも食事だけではなかなか下がらない理由の一つと考えられます。しかし、「それでも食事制限をすれば、残りの2~3割分の効果はあります」と横手さん。コレステロールが高い人は、まず生活習慣を改善してみて、効果が不十分なら薬も併用することが大切です。
コレステロール摂取量は「かなり」減らさないと効果が出にくい
もう一つ、コレステロールを制限してもLDLコレステロールが下がらないのは、「制限の程度」が足りないケースも多いと考えられる、と横手さんは指摘します。
「食事からとる1日のコレステロール量が0~100mgだと、LDLコレステロール値にはほとんど影響がありません。200~400mgになるとLDLコレステロールが上がってきます。ところが400mg以上になると、500mgとっても、600mgとっても、LDLコレステロールはほぼ横ばいになってそこからは上がらなくなります。つまり、今まで800mgとっていた人が500mgや600mgにしてもあまりLDLコレステロールの数値は変わらないけれど、600mgとっていた人が200mgにすると減ってくる可能性があるのです。これは1980年代の時点で分かっています」(横手さん)
2019年の「国民健康・栄養調査」によると、日本人(成人)の1日のコレステロール摂取量は平均335mgです。コレステロール低減効果が期待される200mg以内にするには、「少し減らす」だけでは足りず、「かなり減らさないといけない」ということです。まずは主菜や間食でコレステロールを多く含む食品を避けるなどの工夫をしましょう。