「食事でたんぱく質をとると筋肉を合成するスイッチが入りますが、加齢とともにスイッチの感受性が衰えるため、一度に多くのたんぱく質をとる必要があります。たんぱく質の摂取量と筋肉のたんぱく質の合成率を調べた研究によると、若者では体重1kg当たり0.24gのたんぱく質で筋肉の合成率が最大になりましたが、高齢者では0.4g必要でした」(藤田さん)
「日本人は年代に関係なく、朝食のたんぱく質が不足していて、実際にとれているのは平均10~12gくらい」と藤田さんは指摘します。
「トーストとコーヒーとゆで卵」「ご飯と納豆とみそ汁」のような朝食でとれるたんぱく質は10~12gです。こういった朝食でも若者は筋肉を合成できますが、歳をとったらそうはいきません。筋合成のスイッチを入れるためには、体重1kg当たり0.4g必要なので、朝食でも20g程度のたんぱく質をとらなければなりません。
3食それぞれ均等に20gずつ摂取しよう
では、1回の食事でたんぱく質を大量にとれば、よりスイッチが強く入って、より多くの筋肉が合成されるのかというと、そうではないそうです。
筋肉量を増やすには、筋トレで筋肉に刺激を与えた後にたんぱく質をとると効果的ですが、「運動後に卵プロテインを摂取し、筋肉のたんぱく質の合成速度を調べた研究によると、プロテイン20gまでは筋肉の合成速度が上昇しましたが、それ以上はほぼ変わらなかった。つまり、筋肉のたんぱく質の合成スイッチを最大限に刺激するのは、たんぱく質20gをまとめてとったときといえます」(藤田さん)
効率よく筋肉を合成するためには、1食当たり20gはたんぱく質をとったほうがいいのです。体重60gの人の摂取推奨量は1日60gですから、結局のところ、3食それぞれなるべく均等に20gずつとったほうがいいということになります。
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