正解は、(1)ホントです。
男性ホルモン(テストステロン)の低下は、性機能の不全だけでなく、さまざまな疾患に影響することがわかっています。
順天堂大学大学院 泌尿器外科学教授の堀江重郎さんは、「テストステロンが減少すると、血液中のHDL(善玉)コレステロールが下がり、LDL(悪玉)コレステロールが上昇して動脈硬化が進み、血管系疾患を引き起こします」と話します。ほかにも、抑うつ症状や認知機能の低下、骨粗しょう症に内臓脂肪の増加、インスリン抵抗性の悪化による糖尿病やメタボリック症候群のリスクファクターになるそうです。
食事において男性ホルモンと大きく関わってくるのが、炭水化物の制限です。
「炭水化物に含まれる糖質を過剰に摂取すると、体脂肪が増えて、肥満の原因になることはよく知られています。しかし糖質の摂取が少ないと男性ホルモンを減らしてしまい、運動しても効果が減ってしまうことが分かっています」と堀江さんは話します。
朝はしっかりエネルギーをとる
最近はダイエットのため、メタボ対策のために、糖質の摂取を控える人が増えていますが、糖質制限のやり過ぎには注意が必要です。糖質は体を動かすため、そして脳を働かせるためのエネルギーになります。糖質が枯渇すると、体はたんぱく質を分解してエネルギーを作り出す作用を起こすこともあります。それで筋肉が減ってしまい、代謝が悪くなって太りやすくなるという悪循環に陥る可能性もあるわけです。
「筋肉に負荷がかかる運動をすると男性ホルモンが増えるのですが、エネルギーとなる糖質がないと分泌量が減ってしまうのです。男性ホルモンの分泌量を増やすとともに、体重を絞るという両面を狙うのであれば、朝食時に炭水化物をとることをオススメします。朝はインスリンが出やすいので糖質が素早くエネルギーとして使われるのです」(堀江さん)
炭水化物は食物繊維と糖質で形成されています。食物繊維は腸内環境を整える働きもします。腸内細菌が元気になると自律神経も整うので、男性ホルモンを維持するのにも役立ちます。
厚生労働省が公表している『日本人の食事摂取基準2015年版』によると、推定で1日に最低でも100gの糖質が必要だとされています。これを白米に換算すると、ご飯1膳に含まれる糖質が約55gなので、1日に2膳分ということになります。
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